■日蓮正宗・創価学会・顕正会の日蓮原理主義とカルト宗教化問題3

 

□日蓮正宗、創価学会等の「日蓮正宗」系団体の日蓮原理主義・カルト宗教化は誰の責任なのか

 

最近、「アンチ日蓮正宗」近辺で話題になっているのは、日蓮正宗大石寺、創価学会、顕正会等の「日蓮正宗」系カルト宗教団体の日蓮原理主義・カルト宗教化は一体、誰の責任なのか、ということ。はっきり言って、日蓮本人の責任なのか。それとも日蓮原理主義・カルト宗教化せしめた日蓮正宗大石寺、創価学会、顕正会等の「日蓮正宗」系の責任なのか、ということ。

「これは日蓮の責任」という意見も多数、出ていることも事実。なんせ、日蓮正宗大石寺、創価学会、顕正会等の「日蓮正宗」系カルト宗教団体が金科玉条にしている四箇の格言、他宗折伏、不惜身命、謗法無間地獄等々は、日蓮の遺文(御書)に載っているものであるから、そういう意見が出てくるのも、致し方ないものがあるのではないか。

それでは、第一当事者責任は誰なのか、ということになりますが、これを日蓮だとすることはできない。それはなぜか。

 

□「日蓮正宗」系団体の日蓮原理主義・カルト化の第一責任は「日蓮正宗」系団体自身である

 

それは、日蓮を宗祖とする宗派の中で、日蓮原理主義でカルト宗教化しているのは、日蓮正宗大石寺、創価学会、顕正会等の「日蓮正宗」系など、限られたものであること。

日蓮を宗祖とする宗派の大半が日蓮原理主義でカルト宗教化している、ということであれば、日蓮が第一当事者責任だ、という言い方ができるかもしれないが、現実はそうなっていない。

現在の日蓮宗で言えば、四箇の格言、他宗折伏、不惜身命、謗法無間地獄、不受不施、戒壇建立といった日蓮の教義にあるものを実質的に放棄している。つまり日蓮・六老僧の時代から数えて七百年以上の歴史の中で、時代にそぐわない教義については、実質的に封印ないしは放棄してきている。

つまり、日蓮の未来の弟子、後世の弟子にとっては、原理主義的に頑なに教義を護る選択肢の他に、長い歴史の中で、時代にそぐわない教義については封印・放棄するという選択肢をとることも可能であると言うこと。

それと、日蓮宗は宗祖・日蓮を「お祖師様」と崇拝して祖師堂を建立し、須弥壇に日蓮祖師像を祀ってはいるが、日蓮正宗大石寺、創価学会、顕正会等の「日蓮正宗」系のように、「日蓮本仏義」は立てていない。あくまでも日蓮宗の宗旨を建立した祖師として崇めているわけで、「日蓮正宗」系の「日蓮本仏義」のように、日蓮無謬説、日蓮絶対論に立脚していないように思われる。

そうすると「日蓮正宗」系の「日蓮本仏義」を立てて日蓮無謬説、日蓮絶対論から日蓮原理主義のカルト宗教への道を歩む第一当事者責任は、「日蓮正宗」系団体自身である、ということになる。

御影堂1


 

□「日蓮正宗」系団体の日蓮原理主義・カルト化の第二責任は「日蓮正宗」系の宗祖・日蓮である

 

いくら「日蓮正宗」系の日蓮原理主義のカルト宗教への道を歩む第一当事者責任は「日蓮正宗」系団体自身である、とは言っても、彼らの宗祖・日蓮の遺文(御書)に四箇の格言、他宗折伏、不惜身命、謗法無間地獄…といった過激な教義が載っているわけだから、日蓮の責任は免れ得ないでしょう。

日蓮宗は七百年以上の歴史の中で、時代にそぐわない教義については、実質的に封印ないしは放棄してきている、ということを書いたが、では過去に日蓮宗や法華宗等からカルト教団・カルト教祖・が全く出なかったのか、というとそうでもない。

例えば法華宗本門流から分かれた本門仏立宗の長松日扇は幕末から明治にかけて過激な他宗攻撃・折伏・布教活動を展開。これは昭和期の創価学会の折伏を連想させるものである。

日蓮宗から分かれた田中智学の国柱会は、国家主義と結びついて国立戒壇論を唱えたことは余りにも有名。田中智学の国立戒壇論は、日蓮正宗にも流入し、顕正会は今でも国立戒壇を唱えている。1923年(大正12年)には議会政治に参画する目的で田中智学は、「立憲養正会」を結成。国立戒壇建立、天皇の法華経帰依による広宣流布、宗教革命を目指したが帝国議会の議席獲得には至らなかった。これも昭和期の創価学会・公明党の活動とよく似ている。

その他に、日蓮を世界の日神とした狂気の超古代史家・木村鷹太郎(18701931)、国家社会主義を夢想した226事件の黒幕・北一輝(18831936)、血盟団事件、515事件に関与した右翼日蓮主義者・井上日召(18861967)、満州事変を指揮し世界最終戦論を唱えた軍人・石原完爾(18891949)、日蓮の後継救世主を自称し、在俗の信仰団体・日蓮会から「死のう団」を組織したカルト教祖・江川忠治(19051938)らがいる。

いずれも日蓮の思想が、国家主義、神秘主義、原理主義と結びつき、カルト的狂気を生み出しているものである。

こういった例や、「日蓮正宗」系から離脱しても、未だに「日蓮」「日興門流」の虚像に執着して妄動・妄言を繰り返す「大木道惠」「犀角独歩」「松本修明」「大本順成(独学徒)」「ドリーJUNKシニア」「○玉繁栄」「主任」「れん(いっちー)」らを見ていると、「日蓮正宗」系から離脱・脱出した後、真に蘇生するためには、「日蓮」を完全に捨て去らない限り、無理であるような気がする。

もちろん、元から日蓮宗や日興門流の方々は、そんなことはないと確信するが、「日蓮正宗」系から離脱・脱出した人に関して言えば、真に蘇生するためには、「日蓮」を完全に捨て去ることは必須ではないかと考える。

池上大堂・日蓮1