第一節 得度

 

第百九十四条 得度は、本宗の教義を信奉して、僧侶となることを管長から許可された者に対して行なわれる。

第百九十五条 次に掲げる者は、得度することができない。

 一 年令十一歳未満の者及び五十七歳以上の者

 二 後見開始又は保佐開始の審判を受けた者

 三 破産の宣告を受けて未だ復権しない者

 四 国法を犯して刑に処せられ、僧侶として適格でない者

 

第二節 僧侶

 

第百九十六条 僧侶とは、得度して僧籍を登録され、度牒を受けた者をいう。

第百九十七条 僧侶の称号を次の通り定める。

 一 上人号 法主、前法主及び法主の免許した者に対する敬称

 二 院号 権大僧正、僧正、権僧正及び法主の免許した者の称号

 三 阿闍梨号 権僧都以上にして法主の免許した者の称号  四 房号 教師の称号

第百九十八条 僧侶は、教師となったときは道号に、権僧正に補任されたときは日号に改名しなければならない。

第百九十九条 僧侶は、本分をおかさない限り、総監の認許を得て世務につくことができる。但し、禁厭占術等をすることはできない。

第二百条 教師は、教典の註釈、教義に関する著述、その他布教に関する著作をすることができる。但し、これらを出版する場合はあらかじめ宗務院の許可を受けなければならない。また、定期の出版物は宗務院に届出るものとする。

第二百一条 非教師にして師僧が死亡その他の事由により僧籍を失った場合は、三月以内に新たに師僧を定め、師僧変更届を宗務支院を経て宗務院に提出しなければならない。

第二百二条 非教師にして次に掲げる各号の一に該当する者は、懲戒の手続きによらずして当然に僧籍を失う。

 一 師僧が死亡その他の事由によって欠けた後、三月以内に師僧変更届を提出しない者

 二 師僧より離弟せられた者  三 正当の理由なく、行学講習会に欠席すること三期に及ぶ者

得度式5

 

第三節 教師

 

第二百三条 教師とは、権訓導以上に叙任された者をいう。

第二百四条 次に掲げる各号の一に該当する者は、教師となることができない。

 一 二十歳未満の者  二 得度後七年を経過しない者

 三 行学講習会の全課程を修了しない者  四 品行不良の者

第二百五条 富士学林大学科を卒業した後、総本山に一年以上在勤した者は、講師に補任する。但し、事情によっては在勤日数通算によることもできる。

2 高等学校卒業又は高等学校卒業と同等以上の資格を有し、総本山に一年以上在勤した者は、訓導に補任する。但し、事情によっては在勤日数通算によることもできる。

3 権訓導は、高等学校を卒業しない者又は高等学校卒業と同等以上の資格を有しない者で、総本山に一年以上在勤した者にかぎる。

第二百六条 宗務院の命により一般大学を卒業した者は、富士学林大学科を卒業したものとみなす。

第二百七条 教師にして、住職、主管及びそれらの代務者、副住職又は副主管の職にない者を無任所教師と称する。

2 宗務院は、無任所教師に対し、期間を限って寺院又は教会への在勤を命ずることができる。但し、その期限にかかわらず随時に在勤命令を解除することができる。

3 無任所教師にして寺院又は教会に在勤を命ぜられた者を在勤教師という。

4 在勤教師は、住職又は主管の指導監督のもと、寺務に従事する。

 

第四節 僧階

 

第二百八条 僧侶の等級を僧階という。

2 教師の僧階を次の十三級とし、第四級以上を能化と称する。

大僧正(法主及び法主経験者)権大僧正(学頭・次期法主内定者)

68世日如6


僧正 権僧正  (これより上が能化となる)

大僧都 権大僧都 僧都 権僧都 大講師 講師 少講師 訓導 権訓導 

3 非教師の僧階を次の四級とする。

一等学衆 二等学衆 三等学衆 沙弥

第二百九条 教師の僧階を昇級せしめるのは年功又は功労褒賞とする。

2 法主となった者は、いかなる手続きも要せず、直ちに大僧正に昇級する。

第二百十条 年功により教師の僧階を昇級せしめる場合は、権大僧都、僧都、権僧都の者にあっては五年以上、大講師、講師、少講師の者にあっては四年以上、訓導の者にあっては三年以上、権訓導の者にあっては五年以上の期間を経過しなければならない。

第二百十一条 功労褒賞により僧階を昇級せしめる場合は、前条の期間の二分の一以上を経過しなければならない。

第二百十二条 宗費賦課金の滞納一年に及ぶ者及び教師補任式を行なわない者は、教師の僧階を昇級することができない。