■検証220・「戒壇の大本尊」欺瞞の罪は創価学会・顕正会・正信会も同罪だ5

 

□日蓮正宗破門後も「戒壇の大本尊」の権威にしがみつく創価学会・顕正会・正信会

 

それにしても、創価学会、顕正会、正信会といった「破門団体」が、破門以降においても、どうしてここまで、日蓮正宗と同一の本尊・教義・宗教活動・信仰内容にこだわっているのだろうか?

正信会は僧侶と在家信者の集団であるからまだしも、創価学会、顕正会は在家信者のみの団体なので、こちらのほうが、日蓮正宗の本尊・教義・宗教活動・信仰内容にこだわりつづけているのは、特に奇異に見える。

それは、日蓮正宗の伝統教義・伝統仏教の看板、日蓮から相伝したという本尊・血脈の仮面(仮面というのは、これらのものが全て後世の偽作だから)、日蓮正宗の本尊・教義が持つ「宗教的権威」が、どうしても教団と信者の護持、教線拡大のため、自分たちの政治的・経済的利権の維持のために、どうしても必要だからである。

 

19501980年頃、戸田城聖氏・池田大作氏が会長として折伏大進撃(いわゆる強引で執拗な入信勧誘)の指揮をとっていたころのことだが、「創価学会はいかがわしい新興宗教だ」とさんざんに批判され、これに対して「創価学会は七百年以上の歴史と伝統がある日蓮正宗の信徒団体である」と言ってこれらの批判をかわし、会員を激増させていた。

1970年代から1990年代にかけて、創価学会は「日蓮正宗の伝統教義に反している」とさんざんに批判され、たくさんの会員が創価学会から去っていった。

創価学会はこういった歴史的教訓を忘れていない。創価学会は教団の存立・布教・会員の引き締め・引き止めのために、どうしても日蓮正宗の本尊・教義・伝統を必要としているのである。

否、それどころか創価学会が掲げる「日蓮正宗の本尊・教義」は本家本元の日蓮正宗(大石寺)より以上に、「伝統教義」「日蓮直結の本尊」でなければならない。本家本元の日蓮正宗(大石寺)より以上に、正統な日蓮正宗の教義でなければならないのである。そうすることによって創価学会に「宗教的権威」がつくということである。

顕正会もこれは同様。顕正会の場合は「国立戒壇」の名前が、日蓮正宗の伝統教義のひとつと頑迷に主張しているので、顕正会自身が日蓮正宗の本尊・教義から離れるといったことはあり得ないだろう。

大石寺・正本堂御開扉2 


彼らの布教的側面をもう少し説明してみよう。

日蓮正宗系の各教団は、日蓮正宗の内紛・分裂によって勢力を弱めるどころか、逆にそれぞれが勢力を拡大してきているということだ。

現在の日蓮正宗内紛の発端は1970年の創価学会VS妙信講(現在の顕正会)ですが、この当時、創価学会・公明党は全国で600万票前後くらい、妙信講(顕正会)は約5000名くらいの規模でした。

それから日蓮正宗の内紛は35年以上もつづいていますが、そういう中で創価学会・公明党は約900万票弱の集票マシーンと化し、連立与党の一角を占めるまでになっています。

顕正会は今は公称100万人、実質的な会員数約50万人といわれるくらいにまで膨張しています。

日蓮正宗総本山大石寺直系の信者団体・法華講(連合会)は、1970年当時は1万人にも満たなかった勢力だったのが、今や30万人を越える信者団体に成長しています。

その法華講連合会の中で最大の講中が「妙観講」(正式な名は日蓮正宗法華講理境坊妙観講支部で、講頭の大草一男は日蓮正宗信者のナンバー2の地位である日蓮正宗法華講大講頭)ですが、これは発足当時はそれこそ何十人でしたが、今や全国に5万人以上いるといわれています。

妙観講は、現在の日蓮正宗(大石寺)の信者団体の実質的中核・先兵隊を成し、活動内容は、強引な折伏・勧誘、過激な罰論・無間地獄論…といったように、まさに「第二の創価学会」「第二の顕正会」そのものです。

このように日蓮正宗系のカルト教団は、日蓮正宗内紛によってそれぞれが勢力を拡大してきています。

つまり各教団は、日蓮正宗の本尊・教義・宗教活動・信仰内容をそのまま用いて、日蓮正宗の内紛・分裂をエネルギーにして、教線を拡大し、信者を獲得しつづけてきているということ。

こういったことが、日蓮正宗系各教団の特色といえるのではないだろうか。

もっと別な言い方をすれば、「日蓮正宗」という宗教は、日蓮正宗(大石寺・法華講)、創価学会、顕正会、正信会、日蓮正宗改革同盟…といった、日蓮正宗の本尊・教義・宗教活動・信仰内容をそっくりそのまま使っている各教団を総合して指すということができるのではないだろうか。

最近ではフリー百科事典・Wikipedia等においても、日蓮正宗から破門された創価学会、顕正会、正信会を「日蓮正宗系」として分類している。