■検証224・大石寺「戒壇の大本尊」御開扉とはどういう儀式なのか4

 

□創価学会の団体登山会も法華講連合会の団体登山会もほとんど内容は同じ

 

添書登山の場合は、大石寺登山を希望する日蓮正宗の信者が、所属寺院の受付窓口にて、添書登山の申し込みを行う。これで住職名の添書を発行してもらう。添書には、登山日、日帰りなのか、一泊なのか、利用交通機関、登山信者の住所・氏名が記されており、

「総本山大石寺登山事務所御中 添書(登山参詣御開扉願)

と書かれ、寺院名・住職名と住職印が押されている。

添書1


大石寺登山当日は、登山信者が各自、列車やバス等の交通機関を使って大石寺に登山。着山後、総一坊にある登山事務所受付にて、末寺の受付で発行してもらった添書を、御開扉供養金2000円といっしょに沿えて提出。

受付にいる僧侶から、ワッペンと内拝券を発行してもらう。

添書登山でも、大石寺境内では、ワッペンと内拝券はまことに重要なものであるのは、法華講の団体登山、支部登山、法要登山と同じ。これがないと、日蓮正宗の信者であっても、「戒壇の大本尊」が祀られている奉安堂(正本堂・奉安殿)の中には入れず、したがって御開扉も受けることが、できない。

 

ところで、総一坊登山事務所で、受付をするとき、登山信者は、御開扉供養金の2000円の他に、別口の供養金を封筒に包んで提出する。包む金額は、信者によってまちまちだが、だいたい50001万円と言われている。1人平均5000円としても、添書登山だけで5億円。この登山事務所は、団体登山、添書登山が行われている日は常に開いているので、熱心な信者は、団体登山でもここを訪れて、供養金を袋に入れて差し出している。

さらに登山事務所だけではなく、大石寺大坊にある内事部では、大石寺に参拝した信者から塔婆を立てることを受け付けており、ここでも登山事務所とは別途に、供養金集めをしている。

こうしてみると、大石寺の登山事務所と内事部だけで、御開扉供養金とは別途に、少なく見積もっても10億円の金集めをしているものと推計される。

こうしてみると、「戒壇の大本尊」の御開扉供養金のみならず、日蓮正宗の信者の大石寺登山参詣が、日蓮正宗にとって、重要な収入源になっているのが、わかろうというものである。

大石寺総一坊2

さて1991年以前の宗創和合時代における創価学会の団体登山会の場合も、法華講連合会の団体登山会の仕様とほとんどかわらない。

両者はほとんど同じなのだが、ただ1点、創価学会の登山担当者が、日蓮正宗末寺住職から「信徒証明」を発行してもらうという手続きがない。

法華講連合会の団体登山会の場合、法華講支部登山部の責任者が所属寺院に出向いていって、住職から登山会に参加する信者(法華講員)の信徒証明書を発行してもらう。法華講支部登山部責任者は、登山会参加信者の申請書類と登山費、そして信徒証明書をいっしょに地方部登山部に上納。地方部登山部は地方部毎に集計して法華講連合会登山部に上納する。

宗創戦争がはじまった当初の頃、創価学会の団体登山会が末寺住職発行の信徒証明書を添付しないまま登山会を行っていたことをとりあげて

「創価学会の団体登山会は、宗門古来からの手続きによっていない」

などと日蓮正宗が創価学会を非難していたことがあった。

たしかに、信徒証明書を添付しないやり方は、宗門古来からの手続きではないのかもしれないが、そもそもそういう信徒証明書を添付しないやり方の創価学会の団体登山会を認めたのは、日蓮正宗自身ではないか。第三者から見て、こんなしらける話しはない。

もう一点言うと、こういったことは、ほんの手続き上の問題であり、その一端が創価学会の団体登山会に欠けていただけのこと。

登山会そのものの実態は、創価学会の登山会も法華講連合会の登山会もかわらない。というか、法華講連合会が団体登山会をはじめるにあたって、創価学会の団体登山会をそっくりそのまま模倣し、これに法華講登山部が末寺住職から「信徒証明」を発行してもらう手続きを付け加えただけではないか。

創価学会の団体登山会に「信徒証明」がないことを「創価学会の団体登山会は、宗門古来からの手続きによっていない」という日蓮正宗の非難は、何も知らない日蓮正宗の信者を騙す欺瞞だと断ずるものである。