■検証284日蓮の孫弟子・日法は「戒壇の大本尊」「最初仏」を彫刻していない15

 

□「戒壇大本尊彫刻の木くず」が本当に岡宮光長寺にあるのかどうかを調査2

 

岡宮光長寺の僧侶の回答は、かくなるものでしたが、「そういうものは、聞いたことがない」というのは、「本当は存在しているのに、その僧侶が知らない」という解釈も成り立たないわけではない。

そこで光長寺に行って、しかるべき役僧に質問してみたいと思ったわけですが、行って見ると塔中坊から僧侶があわただしく出てきて、車に乗ってどこかに行ったり、あるいは車に乗った僧侶が境内にすべり込んできて、車からあたふたと降りて、あわただしく塔中坊に駆け込んでいったり…。

あるいは塔中を歩いている僧侶に私があいさつすると、「どーも」とは言うのですが、鞄を片手にあたふたと急ぎ足で境内のどこかに消えていった僧侶もいました。私としては、何とかして光長寺の僧侶の話を面談にて聞こうと思い、庫裡・方丈に行き、方丈にあった受付の窓口らしき所にあったインターホンを鳴らしてみたのですが、誰も出てきません。何度、インターホンを鳴らしても全く応答なしでした。そこで私としては、別の方法をとることにしました。というのは、光長寺宝蔵の前には、沼津市教育委員会が建てた、下記の立て看板が立てられています。

「岡宮・光長寺 御宝蔵 国登録文化財

この御宝蔵は昭和4(1929)に落成し、沼津市内に現存する鉄筋コンクリート造りの建造物としては最古のものです。関東大震災で旧宝物殿が激しく損傷したため、建て替えに当たって災害に強い構造が採用されました。反りの大きい尖塔状の六角屋根が特徴で、鉄筋コンクリート造りでありながら、和風の伝統様式である虹梁、水鼻、蟇股、大瓶束などの簡素な装飾を向拝柱や外壁に施しています。宝蔵という性格から二重壁で造られており、床下に約2メートルの空間を設け、さらにその下部に数メートルの木炭層を設置するなど、宝物保存のための工夫がなされています。

御宝蔵の中には、国の重要文化財に指定されている『宝物集巻第一』、県指定文化財の『しゅう字法華経』『法門聴聞集』など、学術的、宗教的に価値の高い約400点が納められています。

平成131月   沼津市教育委員会」

 

つまりこの立て看板によると、沼津市教育委員会で光長寺宝蔵の中に収められている宝物について学術的な調査をし、学術的、宗教的に価値の高い約400点の中から、国の重要文化財、県指定文化財に指定されているものがあるということです。

つまり、光長寺宝蔵の中の宝物については、沼津市教育委員会が学術調査を行っているわけですから、大石寺の「戒壇大本尊・彫刻の木くず」なるものや「秘蔵抄」という古文書が、本当に光長寺宝蔵の中に格蔵されているのかどうかを確認するには、直接、沼津市教育委員会に問い合わせた方が早いということになる。又、沼津市の公式ウエブサイトを見ると、光長寺の歴史について、法華宗本門流の公式ウエブサイトよりも、詳しく書いてあります。こういうことからして、沼津市ないしは沼津市教育委員会のほうで、光長寺についてかなり詳しく学術調査をしていることが明らかなわけですから、直接、沼津市教育委員会に問い合わせました。

 

 

□岡宮光長寺宝蔵に「戒壇の大本尊」彫刻の木くずは存在しないと断言した沼津市教育委員会

 

私は、沼津市教育委員会の文化財担当部署の担当者A氏に対して、岡宮・光長寺の宝蔵の中に、大石寺の「戒壇大本尊・彫刻の木くず」なるものが存在しているのかどうかを問い合わせました。

沼津市教育委員会の担当者A氏の話によれば、光長寺に蔵されている文化財の調査は行っており、古文書、曼荼羅をはじめとするその他の宝物について、国の文化財、静岡県の文化財、沼津市の文化財の指定を行っていること。当然の如く、本物かニセモノかの鑑別も行っていて、ニセモノや贋作を文化財に指定するということはあり得ないこと。そこで、「戒壇大本尊・彫刻の木くず」なるものが、岡宮・光長寺宝蔵の中にあるかどうか、沼津市教育委員会で宝蔵を調査した時の資料を調べるので、1日だけ時間が欲しい、ということでした。

翌日、約束通り、沼津市教育委員会の担当者A氏から連絡が入って、正式な回答がありました。

その結果は、「戒壇の大本尊・彫刻の木くず」なるものは、光長寺宝蔵の宝物の中には確認できない。国、県、市指定の文化財の中にも、そのようなものはない、ということでした。つまり、沼津市教育委員会で光長寺宝蔵の中の宝物を調査した時に、「戒壇の大本尊・彫刻の木くず」というものは、なかったということです。それから、宝物資料として、岡宮・光長寺が出版した正式文献としての冊子「日蓮大聖人の御伝教」「宗祖日蓮大聖人七百遠忌記念」「御法門御聞書」が三冊あるが、いずれの冊子の中にも、光長寺の宝物として、「戒壇の大本尊」の木くずの記載はないとのこと。つまり沼津市教育委員会に出した宝物に関する光長寺としての正式見解としても、「戒壇の大本尊」の木くずがあるという記載はないとのこと。つまり岡宮・光長寺としても、光長寺の正式見解として「戒壇の大本尊」の木くずがあるとは言っていない、ということです。沼津市教育委員会の担当者A氏が云く「こちらで確認できないものが、あると言われても、困りますねえ」とのこと。この調査により、光長寺の宝蔵には、「戒壇の大本尊」の木くずが存在しないことが、はっきりした。大石寺52世鈴木日霑が、北山本門寺との「両山問答」(霑志問答)での回答や、大石寺66世細井日達が著書「悪書『板本尊偽作論』を粉砕す」で、「岡宮光長寺に『戒壇大本尊』彫刻時の木くずがある」などと書いているのは、真っ赤なウソであるということです。こういったことからして、大石寺「戒壇の大本尊」日法彫刻説なるものが、いかにデタラメな説であるかが、わかろうというものである。

光長寺20本堂
 

(岡宮光長寺)

光長寺14宝蔵
 

(岡宮光長寺宝蔵)

52世日霑
 

(大石寺52世鈴木日霑)