■検証118・いかにして大石寺9世日有は漆を入手し「戒壇大本尊」に漆加工を施したのか3

 

□日本でも漆研究の第一人者・四柳嘉章氏が館長を務める石川県輪島漆芸美術館を訪ねる

 

東京からJRを利用して金沢へ行くルートは他にもあり、東海道新幹線+米原で特急しらさぎ号に乗り換えるルートもある。こちらの所要時間は約4時間20分前後ぐらいで、上越新幹線・特急はくたか号乗り継ぎルートよりも余計に時間がかかる。これは、東海道新幹線を利用した場合、乗り換え駅が米原駅になるため、ひかり号になる。のぞみ号は、米原駅を通過するためである。米原停車タイプのひかり号は、新横浜と名古屋の間で、1駅停車する他、名古屋以西は各駅停車になる。これで余計に時間がかかる。それとこのルートでは、JRの北陸フリーきっぷ、北陸フリー乗車券は使えない。JTBの金沢、高岡、富山宿泊のビジネスパックは使えるが、やや割り増しになる。

日中、東京駅からひかり号に乗ると、割と空席があるのが見えるが、米原駅で特急しらさぎ号に乗り換えると、それこそ8090%ぐらいの席が埋まっている。そして福井県、石川県の停車駅で少しずつ乗客が降りていく。逆に金沢発米原行きの特急しらさぎ号に乗ると、金沢駅では空席だらけだが、石川県、福井県の停車駅でどんどん乗客が乗ってきて、敦賀駅を発車するころには、ほぼ満席に近いくらいに席が埋まる。これもなかなか人気がある列車である。

特急しらさぎ号には、金沢~米原を運行するものの他に、名古屋~米原~金沢~富山を運行する列車もあるが、名古屋駅で、のぞみ号との乗り換えは設定されておらず、全て米原駅で、ひかり号との乗り換えになっている。

航空機利用の場合は、羽田空港~小松空港便を利用するのが、金沢に着くのが一番早い。東京駅から金沢駅までの所要時間だけを見ると、小松空港便の航空機利用の場合は約2時間半。フライト時間だけを見れば、羽田空港~小松空港は約45分だが、空港までの交通に時間がかかる。航空機利用の場合もJTBの金沢、高岡、富山宿泊のビジネスパックは使えるが、こちらも、やや割り増しになる。ただし航空チケットのスーパー旅割は、45日以前に購入しないと適用されないが、航空機利用のJTBビジネスパックは、7日前までなら予約できる。それで往復航空代金+金沢、高岡、富山宿泊の1泊のホテル代金込みで250003万円で利用できるのだから、JTBビジネスパックのほうが、便利ではないかと思う。羽田空港から航空機に乗ると、日本アルプスの山岳地帯の上空を通過し、白山の上空近くを通過して小松空港に行くのだが、白山から石川県上空にさしかかったころ、シートベルト着用ランプが点灯し、「これから飛行機がゆれてまいります」「揺れましても、飛行には影響ありませんので、ご安心下さい」との客室乗務員のアナウンスが流れる。白山から石川県上空付近に乱気流があると思われ、一度、激しく揺れたこともあった。それでも羽田・小松便は土曜・日曜・祝日になると、満席に近いほど席が埋まる。乱気流があっても、「時はカネなり」ということだろうか。しかし2015年に北陸新幹線が開業すると、航空機利用も新幹線利用も、所要時間は大して変わらなくなる。

 

 

□石川県輪島漆芸美術館の館長室にて四柳嘉章館長との単独会見

 

石川県輪島漆芸美術館は、輪島市にあるのだが、輪島市のターミナルである旧輪島駅からは、ちょっと離れた所にある。私も輪島市内の地理に詳しいわけではないので、旧輪島駅ターミナルにいたタクシーに乗って石川県輪島漆芸美術館を訪ねました。時期は、寒い冬でしたが、雪はほとんど積もってはいなかった。この日、石川県輪島漆芸美術館の館長室にて、四柳嘉章館長との単独会見が行われることになったという次第であった。石川県輪島漆芸美術館の館長室に通された後、係員は退出。四柳嘉章館長と私の単独会見と言うことになった。

中に入ると、大きなテーブル・椅子が用意されていて、奥には「館長」という名札がおいてある館長専用のデスク。四柳嘉章氏は私と初対面ではあったが、私に名刺を手渡し、訪問を好意的に迎えてくれた。それでも、訪問の目的が、日蓮正宗大石寺の「戒壇の大本尊」なる板本尊が後世の偽作である証拠の「漆加工」の関係による「漆」研究であり、それの関連の訪問であることは、理解していただけた。すると四柳氏から私に次の質問が飛んできた。

四柳氏「その板本尊が日蓮の真作なのか、後世の偽作なのかを判定したいのであれば、その板本尊を科学鑑定したらいいのではありませんか」

○「そうなんです。四柳館長のおっしゃるとおりです。しかしそれは不可能です。なぜ不可能かというと、日蓮正宗大石寺が「戒壇の大本尊」なる板本尊を基本的に非公開にしており、直接対面できるのは日蓮正宗の僧侶・寺族・信者だけ。外部からの科学鑑定は昔から日蓮正宗大石寺がかたくななまでに拒否しており、実現は不可能です。よってさまざまな文献・資料・物理的理論等々により、偽作であることを立証する以外にありません。」

四柳氏「であるならば、写真はどうでしょう。カラー写真であれば、その漆が何時代のものか、私は一目でわかります」

○「カラー写真はないですね。日蓮正宗大石寺が公式に「戒壇の大本尊」なる板本尊の写真と認めているものは、1911(明治44)年から昭和初期にかけて日蓮正宗の信徒が出版した本に掲載されている写真しかありません。しかしこの写真も、かなり不鮮明であり、加えて曼荼羅の文字の部分等に修正された痕跡も見られるため、写真解析の素材としては、適当でないように思われます」

ということで、四柳嘉章氏に「アンチ日蓮正宗」携帯サイトに載せている「戒壇の大本尊」なる板本尊の白黒写真を見せた。

四柳氏「ああ、白黒写真ですか。白黒じゃあ、ちょっと判別できないですね。それから写真が、ぼやけすぎているし…」

○「日蓮正宗大石寺では『本門戒壇の大御本尊』の化粧直しと言って、江戸時代、明治、昭和に数回、漆の塗り直し、金箔の張り直しをしているため、仮に鮮明なカラー写真があったとしても、それから真偽の判定をすることは不可能かと思われます」

こういったやりとりがあった後、いよい「漆」の内容に深く立ち入った話になっていった。

漆芸美4


漆芸美1
 

(石川県輪島漆芸美術館)

ひかり号1
 

(ひかり号車内)

しらさぎ1


しらさぎ4


しらさぎ2
 

(特急しらさぎ号)

羽田空港3


羽田空港5


(羽田空港)

小松空港9


小松空港5
 

(小松空港)