■検証196・大石寺の「戒壇大本尊」が大石寺9世日有の偽作である16の証拠51
□大石寺9世日有が戒壇大本尊を偽作したのは「身代わり本尊」彫刻の1445(文安2)年だ1
では日蓮正宗大石寺九世法主・日有は、いつごろ「戒壇の大本尊」なる板本尊を偽作したのだろうか??結論から言うと、大石寺9世日有が、大石寺に格蔵していた日蓮真筆の「紫宸殿の本尊」を、黒漆塗りに金箔加工を施した板本尊に模写彫刻した1445(文安2)年と考えられる。この二つの板本尊は、大石寺9世日有によってほぼ同時に造立されたということである。
□人目につき、とても隠し通せないほど等身大の巨大な「戒壇の大本尊」なる板本尊
この「戒壇の大本尊」なる板本尊は、丈が人間の身長とほぼ同じくらいあり、総重量が200キロ前後もあると推定される、巨大な板本尊である。しかも高価な黒漆塗りに金箔加工を施した豪華絢爛な板本尊だ。しかも、大石寺9世日有に湯之奥金山の金を供養して貢ぎ、実際に「戒壇の大本尊」の偽作製造に携わったと考えられる湯之奥金山の金山衆たちは、富士門流の信者で、彼らは大石寺のみならず、北山本門寺にも出入りする人たちであった。したがって、これだけの巨大で豪華絢爛な板本尊を偽作したとなれば、大石寺以外の他の宗派や他の本山・寺院に隠し通すことは、とても不可能である。実際に、大石寺のごく近隣にある、同じ富士門流の本山寺院・北山本門寺六代貫首(住職)である日浄が「未聞未見の本尊なり」と言った。日浄は大石寺に「戒壇の大本尊」があるということを知って、「そんな本尊は、見たことも聞いたこともない本尊だ」と驚きの声を上げたのだ。
昔から日蓮正宗大石寺の法主や僧侶・信者たちは、「戒壇の大本尊」偽作説について、次のような言い訳をしている。
「『本門戒壇の大御本尊』は日蓮大聖人様のご真筆です。日有上人が偽作したのではない。ただし日有上人が模写彫刻された板本尊は、他に存在します」
この趣旨の言い訳は、明治時代に大石寺52世鈴木日霑と北山本門寺34代貫首・玉野日志が文書で問答した「霑志問答」でも、鈴木日霑が玉野日志にこのようなことを言っている。
□「紫宸殿の本尊」を「身代わり板本尊」に仕立ててごまかした大石寺9世日有の欺瞞
「蓋し日有の彫刻せる本尊とは、宗祖の御真筆・紫宸殿の本尊と称する者之れを模写して彫刻せし事あり。伝え言ふ、其の時乱離の世に乗じ身延の群徒来りて戒壇の本尊及び其の他の諸霊宝を占掠せんとの説あるによって、日有計って真の本尊及び諸霊宝をば駿東郡東井出村井出某氏の窖(あなぐら)に蔵し、---此の家の子孫今に連綿し村内一之旧家で今の家主は弥平治と号す。此の窖今に存し御穴と称し常に香花を供すと云々---日有彫刻の本尊を仮立して且らく戒壇の本尊に擬せしとなり。事鎮静の後、日有自判を加え是れを鳥窪の住僧日伝に授与するの文字あり。是れ則方今天王堂に安置せる板本尊是れなり。惟ふに後世之れを訛伝して、日有、真の戒壇の本尊を彫刻するの説あるか知るべからず」(日蓮正宗大石寺59世法主堀日亨編纂『富士宗学要集』第7巻問答部「両山問答」p101~102より)
------ただし、日有が彫刻した板本尊というのは別に存在している。それは宗祖日蓮大聖人の御真筆の本尊である「紫宸殿の本尊」と称する本尊を板に模写して彫刻した板本尊がそれである。
日蓮正宗大石寺には、古来からの言い伝えとして、次のような話しがある。
日有の時代、戦乱の世に乗じて身延山久遠寺の群徒が大石寺に押し寄せて「本門戒壇の大御本尊」の他、大石寺の霊宝を強奪しようとしているとの説が流れたので、日有が「本門戒壇の大御本尊」とその他の霊宝を一時的に駿東郡東井出村井出某氏の穴蔵に隠した。---この井出家の子孫は現在まで大石寺の根檀家として連綿していて、大石寺のある上野村では随一の旧家である。今の井出家の当主は弥平治と言い、その時の穴蔵は今でもあり、常日頃から線香とシキミの花を供えている---そして大石寺には日有が彫刻した板本尊を仮に立てて、しばらくの間、「本門戒壇の大御本尊」に擬していたのである。身延の群徒たちの動きが鎮静化した後、この板本尊に日有が自らの判形を加えて、鳥窪の寺の住職日伝に授与したとの日有がその板本尊に書いた文字が残っている。この板本尊とは、今の大石寺の天王堂に安置している板本尊のことである。私が思うに、後世の者がこの話しを誤って伝えて日有が「本門戒壇の大御本尊」を彫刻したとの説が出たのではないか----
大石寺の古来からの言い伝えとして、「戒壇の大本尊」偽作を隠蔽するこんな言い訳が、大石寺9世日有の代から伝わっていることを、大石寺52世・鈴木日霑が、公式に認めていることである。
(能勢順道氏の著書『諸記録』に載っている大石寺9世日有の肖像画)
(大石寺の『戒壇の大本尊』)
(大石寺宝蔵)
(立正安国会『日蓮真筆本尊集』に載っている大石寺・紫宸殿(師資伝)本尊)
(大石寺・霊宝虫払い大法会で奉掲される大石寺・紫宸殿(師資伝)本尊)
(大正時代に大石寺御影堂で行われていた「戒壇の大本尊」開扉の写真)
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