□ドイツ憲法には民主主義や自由を否定する団体に民主主義や自由を認めない規定がある

 

正式名「アンチ日蓮正宗・アンチ創価学会・アンチ顕正会・正信会」略称名「アンチ日蓮正宗」が制定をめざしている「カルト宗教取締法」のモデル法令の第四は、ドイツの「戦う民主主義」規定である。戦う民主主義(Fortified Democracy、戦闘的民主主義)とは日本では聞き慣れない言葉だが、ドイツなどヨーロッパ諸国に見られる民主主義の理念のひとつで、一般的には民主主義を否定する自由・権利までは認めない民主主義、民主主義や自由を否定する団体に民主主義や自由、権利を認めない民主主義と考えられている。この「戦う民主主義」の内容について、まずはフリー百科事典・Wikipediaから引用してみたい。

民主主義とは国民の意思決定によって国政を運営する政治体制である。そしてその体制を維持するためには国民に思想の自由・言論の自由・表現の自由を保障することが不可欠である。しかし国民が自ら自由を放擲し、民主主義を廃止する意思決定を民主主義的手続きを経て行った場合には、「民主主義体制の自殺」ということになり、独裁政治・専政政治が成立してしまう。そこで「民主主義体制を覆す自由を制限する安全策、民主主義に沿った手続きで民主主義体制を覆すものから民主主義体制を守るという考えが「戦う民主主義」である。ドイツ連邦共和国は「戦う民主主義」を標榜している国の代表的な例とされる。(フリー百科事典・Wikipedia「戦う民主主義」)

これは1930年代のワイマール憲法下のドイツで、ナチ党による総選挙勝利・ヒトラー内閣成立といった「合法的な権力掌握」によるナチ独裁体制ができあがった反省に基づく規定だとされている。ナチ党は、19327月の総選挙で第1党になり、19331月、ヒトラーを首班とするヒトラー内閣が成立。1933229日の民族と国家の保護のための大統領令によって、ワイマール憲法の基本的人権保護規定を無効化し、各種工作の結果、憲法の上位に立つ全権委任法を制定することによって、事実上、ワイマール憲法体制を崩壊させた。この過程は憲法第48条(大統領緊急令規定)を悪用したものであり、戦後問題になった。敗戦後の1948年、西側連合国占領地域において設立されたドイツ連邦共和国(西ドイツ)では、こうした事態を防ぐために「戦う民主主義」の概念が生まれた。この概念を生み出したのは、ナチス時代に非アーリア人として弾圧されてアメリカに亡命し、戦後は基本法制定に参加した憲法学者のカール・レーヴェンシュタインである。現行のドイツ連邦共和国基本法には概念は明文化されていないが、1956年の連邦憲法裁判所判決が示すとおり、「戦う民主主義」は、ドイツ連邦共和国基本法制定者の思考の基盤となっている。(フリー百科事典・Wikipedia「戦う民主主義」)ではドイツ連邦共和国基本法の基本理念である「戦う民主主義」の規定とは、どういったものなのか。

1 憲法秩序に反する団体は禁止される(ドイツ連邦共和国基本法92項)。

2 憲法に定められた権利を、自由で民主的な体制を破壊するための闘争に濫用する者は、基本権を喪失する(ドイツ連邦共和国基本法18条)。

(フリー百科事典・Wikipedia「戦う民主主義」)

 

 

□ドイツ憲法のように「戦う民主主義」の理念を明確にし「戦う民主主義」の規定を明記すべきだ

 

3 政党の内部秩序は民主制の諸原則に合致していなくてはならない(ドイツ連邦共和国基本法211項)。自由主義や民主主義を否定し、連邦共和国の破壊を目指す政党は違憲となる。違憲政党の決定は連邦憲法裁判所で行なわれ、各団体は連邦憲法擁護庁に監視される(ドイツ連邦共和国基本法212項)。違憲政党の代替組織も禁止される(ドイツ連邦共和国基本法33条)。

4 基本法21条の政党規定は連邦法の政党法 によって定められる。

5 基本法を緊急の法律によって改正、廃止、適用禁止を行うことはできない(ドイツ連邦共和国基本法814項)。

6 政治家を含めて、全国民に民主主義体制を明記した憲法への擁護義務を課す(憲法への忠誠。ドイツ連邦共和国基本法53項ほか)

7 自己否定(人間の尊厳や人権の保障・民主主義などの根幹原則を破壊)するような方向への改憲を認めない(ドイツ連邦共和国基本法793項)

8 政府が憲法と国民に背いた場合、他の救済手段がなければ、国民は抵抗権を発動できる(ドイツ連邦共和国基本法204項)

(フリー百科事典・Wikipedia「戦う民主主義」)

ドイツ連邦共和国基本法21条の規定により、ドイツ共産党(KPD)、ドイツ社会主義帝国党等は違憲とされ、非合法化、禁止された。ドイツ連邦共和国基本法第53項から第18条までと第21条「基本権」の項目には、「戦う民主主義」の提要である「国民の憲法擁護義務」が規定されている。ドイツ連邦共和国基本法53項では、芸術・学問・研究・教授の自由を保障しているが「教授の自由は、憲法に対する忠誠を免除しない」と留保している。ナチ党またはアドルフ・ヒトラー個人、若しくはその行為を礼賛し差別を煽るあらゆる主張・行為は処罰される(刑法第130条:民衆扇動罪。対象例としてホロコースト否認論)。またナチスの標章であるハーケンクロイツは、連邦刑法86条にて、反ナチ表現を除くあらゆる使用が禁止されている。従って、出版等においてもハーケンクロイツの使用が認められず、ネオナチがハーケンクロイツを掲げて行進するようなことも禁止されている。(フリー百科事典・Wikipedia「戦う民主主義」)

民主主義を否定する自由・権利までは認めない民主主義、民主主義や自由を否定する団体に民主主義や自由、権利を認めない民主主義というのは、きわめて当然のことだと私は思う。この日本における民主主義や自由を否定する団体とは、まさに大石寺法主専政の日蓮正宗、池田大作・最高指導者独裁の創価学会、浅井昭衛専政の顕正会等々の「日蓮正宗系」カルト団体が、まさにそれである。こんな民主主義や自由を否定するカルト宗教に、民主主義や自由、権利を認めないのは当然ではないか。カルト宗教取締法も、当然のことながら「戦う民主主義」の理念を活かすべきである。現在の日本国憲法には、「戦う民主主義」の規定はない。私は、日本国憲法を改正して、ドイツ連邦共和国基本法(ドイツ憲法)のように、「戦う民主主義」の理念を明確にし、「戦う民主主義」の規定を明記すべきであると考える。

ブランデンブルク門1
 

(ドイツ・ベルリン・ブランデンブルク門・ユーチューブの映像より)

ナチ・ドイツ1
 

(ナチドイツの裁判の模様)