□新聞・月刊誌・週刊誌・マスコミ・評論家等の中に少なかったカルト宗教問題に精通した専門家

 

第二の理由として、新聞、月刊誌、週刊誌、マスコミ、評論家の中に、宗教問題、カルト問題に精通した人物が非常に少なかったことが挙げられる。藤原弘達氏、内藤国夫氏、隈部大蔵氏らは、独自の視点を持ち、独自の論点で創価学会批判を展開。1970年代には、創価学会の「折伏大進撃」をストップさせ、国立戒壇放棄、形式的ながらも政教分離を創価学会に約束させるという功労があった。ところがこういう宗教問題、カルト問題に精通した専門家は、新聞、月刊誌、週刊誌、マスコミ、評論家全体から見れば、ほんのわずか。非常に少ない。1990年代のオウム真理教事件、21世紀に入ってから、イスラム過激派のテロ事件で日本人犠牲者が出ているにもかかわらず、カルト宗教によるテロ対策、カルト宗教対策の建設的で実効性のある提言を行った人は、私が知る限りでは、まさに皆無に等しい。しかも専門家が少ない中で、「カルト宗教自滅説」等々の誤った説が流布したことがあり、これもカルト宗教対策を遅らせてきた。日本の歴史でも、世界の歴史でも、カルト宗教教団が自ら自滅した史実は、どこにも存在していない。さらに195090年代のころは、日本の高度成長、好景気の時代であり、企業・会社は好業績をあげ、社員の給与は毎年上がっていくのが当たり前の時代。そんな時代に、面倒な宗教問題に関わるよりも、仕事をして働いて、1円でも多く収入を得たほうがいいという風潮があり、世間一般のカルト宗教問題への関心が高まらなかったこともあげられよう。

創価学会を斬る1
 

(藤原弘達氏著書「創価学会を斬る」)

公明党の素顔1
 

(内藤国夫氏著書「公明党の素顔」)

溝口敦・学会批判本1
 

(溝口敦氏著書「池田大作・権力者の構造」)

 

□憲法20条「信教の自由」規定をカルト宗教保護規定と曲解して宣伝した官僚・政治家・言論人

 

第三に、日本国憲法20条の信教の自由の規定を曲解して宣伝する者がいたことがあげられる。日本国憲法第20条とは、信教の自由と政教分離原則について規定している条文で

1信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

と規定されている。過去に、創価学会や統一教会等のカルト宗教問題が表面化し、国会やマスコミ等で議論が沸騰すると、この憲法20条の条文を持ち出して来て、「宗教」の分野があたかも絶対不可侵の分野であるかの如き論議をする人がいた。それはある時は官僚だったり、ある時は政治家だったり、言論人だったりしたわけだが、「カルト宗教だ」と問題視された宗教団体の他、そうでない宗教団体までもが、憲法20条の信教の自由の規定を持ち出して、「宗教」の分野があたかも絶対不可侵の分野であるかの如き論議を展開した。その時は、憲法20条の信教の自由の規定の内容を議論することは、ほとんどなく、宗教団体による「信教の自由侵害」の声の前に、カルト宗教問題に取り組む人の声、カルト宗教被害者の声が大きくトーンダウンしていった。

憲法20条の信教の自由の規定は、一般国民が自らの自由意志で宗教に入信、脱退する自由、宗教を信じない不信教の自由の権利を規定したものであり、カルト宗教を保護するためのものでもなければ、カルト宗教が好き放題、やりたい放題のことをやってもいいと規定するものではないのである。

 

 

□カルト宗教加害者と被害者をすり替える謀略宣伝をしてきた「創価学会による被害者の会」ら

 

第四に、カルト宗教団体、カルト宗教団体の信者、ないしはカルト宗教を脱退した者の一部の者たちが、カルト宗教の加害者と被害者を巧みにすり替える謀略宣伝をしてきたということがある。特に日蓮正宗・創価学会・顕正会・正信会・富士門流執着軍団の問題ではこれが言える。具体的な実例を挙げよう。197080年代にかけて創価学会を脱会して日蓮正宗寺院の法華講員、檀徒になった人、日蓮正宗正信会寺院の檀徒になった人たちの一部が、「自分たちは、創価学会から迫害された」と、被害者宣伝をしてきた。1990年代には、同じく日蓮正宗と創価学会の「宗創戦争」によって、創価学会を脱会して日蓮正宗寺院の法華講員になった者の一部が、「自分たちは創価学会による被害者だ」と騒ぎ立て、何と「創価学会による被害者の会」という団体まで立ち上げた。しかし彼らは、創価学会による被害者ではなく、どちらかというと、創価学会の強引・執拗な折伏・布教活動に加担してきた、むしろ創価学会側の加害者である。日蓮正宗・創価学会・顕正会・正信会・富士門流執着軍団の本当のカルト宗教被害者とは、創価学会を脱会して日蓮正宗寺院の法華講員、檀徒になった人、日蓮正宗正信会寺院の檀徒になった人ではなく、日蓮正宗・創価学会・顕正会・正信会・富士門流執着軍団の強引・執拗な折伏・布教活動の被害、選挙干渉、威迫、脅迫、尾行、暴力、カネ集め等々の実害を受けた人たちである。そうであるにもかかわらず、「創価学会による被害者の会」をはじめとする「宗創戦争」によって、創価学会を脱会して日蓮正宗寺院の法華講員になった者の一部の者が、日蓮正宗・創価学会・顕正会・正信会・富士門流執着軍団問題のカルト宗教被害者と加害者を巧みにすり替える謀略宣伝を行ったことにより、彼らの声が、カルト宗教被害者の声にすり替えられてしまった。そして後年、「創価学会による被害者の会」なる団体が、実質的に日蓮正宗法華講理境坊妙観講支部の支配下にあるダミー団体であることが発覚することによって、「日蓮正宗系」カルト団体から強引・執拗な折伏・布教活動の被害、選挙干渉、威迫、脅迫、尾行、暴力、カネ集め等々の実害を受けた、本当のカルト宗教被害者の声までもが、世間から全く省みられなくなってしまったのである。これも「日蓮正宗系」の者が創価学会批判勢力に入ろうとしたことによる重大な実害・弊害である。創価学会批判勢力に入ろうとした「日蓮正宗系」の者がやったことは、「創価学会が大石寺法主に逆らった」という超低次元な批判と、大石寺法主の曼荼羅本尊を売りつけようとする本尊セールスだけ。「日蓮正宗系」の者は、創価学会と「目くそ鼻くそ」「同じ穴の狢」なのである。

創価学会による被害者の会1
 

(「創価学会による被害者の会」)