□一般歳入・歳出予算を一般公開している伝統仏教各宗派と一般公開を拒否している日蓮正宗

 

現今の日蓮正宗のカネ集めが、いかに常軌を逸した巨大な金額のカネ集めであるかを計るバロメーターがある。一番わかりやすいのは、他の伝統仏教宗派の財政と比較して見ることである。

20172月号「月刊住職」に、日本の代表的な伝統仏教10宗派(天台宗、高野山真言宗、真言宗智山派、真言宗豊山派、浄土宗、浄土真宗本願寺派(西本願寺)、真宗大谷派(東本願寺)、臨済宗妙心寺派、曹洞宗、日蓮宗)の一般会計歳入予算、歳出予算、檀信徒数、世帯数等の統計が載っている。これらの統計と、近年の日蓮正宗のカネ集めの金額を比較すれば、日蓮正宗の常軌を逸したカネ集めぶりがいかに酷いかが一目瞭然である。

平成28年度(2016)宗教年鑑によれば、日蓮正宗の寺院・教会数は705になっているが、これは日蓮正宗から破門された正信会僧侶・創価学会系僧侶が居座り続け、日蓮正宗の宗教活動が実質的に行われていない寺院・教会の数を含めたもの。大石寺法主(日蓮正宗管長)・宗務院の支配下にあり、日蓮正宗の宗教活動が行われている日蓮正宗寺院・教会は、総本山大石寺・本山妙蓮寺・本山讃岐本門寺・本山日向定善寺・総本山・本山塔中坊・海外寺院・教会を含めて201711日現在で621寺である。これは、寺院総数としては、天台宗・3336寺、高野山真言宗・3638寺、真言宗智山派・2900寺、真言宗豊山派・2650寺、浄土宗・7052寺、浄土真宗本願寺派(西本願寺)10329寺、真宗大谷派(東本願寺)8705寺、臨済宗妙心寺派・3365寺、曹洞宗・14559寺、日蓮宗・5171寺と比較すると、はるかに小規模である。(伝統仏教10宗派の寺院数は20172月号「月刊住職」からの引用)浄土真宗本願寺派(西本願寺)16分の1、曹洞宗の23分の1。日蓮宗と比較しても8分の1である。

では、信徒数(檀信徒数)はどうなっているのかというと、日蓮正宗の信徒数は、平成27年度(2015)版・宗教年鑑によれば、605000人。平成28年度(2016)版・宗教年鑑によれば、668000人になっている。平成28年度(2016)版・宗教年鑑は、2017(平成29)228日になっているので、平成28年度(2016)版・宗教年鑑に載っている数字は、平成28(2016)の統計と考えられる。これに対して、伝統仏教10宗派のほうは、20172月号「月刊住職」によれば、天台宗・154万人、高野山真言宗・383万人、真言宗智山派・30万人、真言宗豊山派・142万人、浄土宗・602万人、浄土真宗本願寺派(西本願寺)792万人、真宗大谷派(東本願寺)320万人、臨済宗妙心寺派・37万人、曹洞宗・354万人、日蓮宗・348万人となっている。単純に平成28年度(2016)版・宗教年鑑に載っている日蓮正宗の信徒数を、伝統仏教10宗派の檀信徒数と比較しても、日蓮宗の5分の1、浄土真宗本願寺派(西本願寺)12分の1、真宗大谷派(東本願寺)5分の1である。

 

平成28年(2016)宗教年鑑・信者数
 

(平成28年度(2016)版・宗教年鑑に載っている日蓮正宗の信徒数、寺院数)

 

2016年10宗派一般歳出予算
 

(20172月号「月刊住職」に載っている伝統仏教10宗派の寺院数)

 

2016年一般歳入・檀信徒数・世帯数
 

(20172月号「月刊住職」に載っている伝統仏教10宗派の檀信徒数)

 

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(20172月号「月刊住職」)

 

 

 

□他の伝統仏教宗派の数倍、数十倍の負担を法華講員に押しつけている日蓮正宗のカネ集め

 

次は、同じく20172月号「月刊住職」に載っている伝統仏教10宗派の歳入予算からの、1寺院当たりの負担金、檀信徒1人当たりの負担金を計算してみた。それが下記の「寺院1ヶ寺当たり・檀信徒1人当たりの宗派歳入の負担金一覧」である。これらのデータについては、「月刊住職」は、寺院数、檀信徒数は、文化庁発刊の「宗教年鑑」を、歳入予算については、各宗派の宗報を参考にしたとしている。又、伝統仏教宗派の多くは、機関誌・機関紙・宗報等で歳入予算、歳出予算の内訳を公開しているが、日蓮正宗は、一般会計、特別会計の歳入、歳出の内訳、総額を日蓮正宗機関誌「大日蓮」で1度も一般公開したことはない。


1寺・信徒1人当たり負担金一覧

 

この一覧表を見ると、伝統仏教10宗派の1ヶ寺当たりの負担金は、概ね30万~40万円台で、最も高いのは真宗大谷派の98万円。それでも100万円を超える宗派はない。檀信徒1人当たりの負担金を見ると、かなり宗派によってバラツキがあるが、一番高額なのは真言宗智山派の3142円。1000円以下の宗派が多い。これは、各宗派の一般会計の通常歳入予算の負担金である。

このデータと、日蓮正宗のデータを比較して見ると、さまざまなことがわかる。

日蓮正宗は201612月に「第一回日蓮生誕八百年特別供養」と称して24億円のカネ集めを行っているが、これを621ヶ寺、668000人信徒で計算すると、1ヶ寺当たりの負担金は、何と386万円。これは天台宗、真言宗、浄土宗の十倍以上。真宗大谷派の約4倍になる。信徒一人当たりの負担金は、3592円になり、浄土宗の約10倍、日蓮宗の約5倍以上になる。

日蓮正宗は、信徒50万で「日蓮立正安国論750年特別供養」と称して120億円のカネ集めを行っているが、これになると1ヶ寺当たりの負担金は、何と2000万円。浄土宗の65倍、日蓮宗の45倍、真宗大谷派の約20倍である。信徒一人当たりの負担金は、24000円。こちらも日蓮宗の36倍、浄土宗の66倍、真言宗智山派の7倍という、桁違いの負担が信徒に重くのし掛かっていることがわかる。

「アンチ日蓮正宗」では、かつて日蓮正宗の通常歳入を200億円ぐらいではないかと推計したのだが、これで計算すると1ヶ寺当たりの負担金が3220万円、日蓮正宗信徒(法華講員)一人当たりの負担金が29940円となり、浄土宗の83倍、日蓮宗の45倍である。これまた他の伝統仏教宗派と比較して、桁違いの負担金ということになる。こうしたデータを比較して見ると、日蓮正宗のカネ集めが、いかに常軌を逸した過酷なカネ集めになっているかが、わかろうというものである。

日蓮正宗信徒(法華講員)は、よく「日蓮正宗はカネがかからない宗教だ」などと言うが、全くのウソ。他の伝統仏教宗派と比べて数倍、数十倍の負担になっていることは、ここに明らかである。日蓮正宗は、こんな過酷な、常軌を逸したカネ集めを即時中止すべきであり、これらの集めたカネを、信徒に返還すべきである。

 

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(過酷なカネ集めを行っている大石寺68世早瀬日如法主/ユーチューブの映像より)