□法華講支部講頭、副講頭、幹事、会計人事に間接介入している日蓮正宗管長(大石寺法主)

 

日蓮正宗末寺寺院に所属する「法華講支部」は、末寺住職、末寺所属信徒の独断で結成できない。日蓮正宗宗務院は、法華講支部結成の条件として「最低でも40世帯以上」という指針を示している。したがって、末寺住職が所属信徒を結集させて「法華講支部」にしようとしても、40世帯以下であれば、日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院は、法華講支部結成を許可しない。

日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院が、「法華講支部」結成を許可し、法華講支部規約を承認すると、日蓮正宗管長(大石寺法主)名での「許可書」を交付する。そうすると、法華講支部指導教師(末寺住職)、講頭、副講頭、幹事、会計等の役員が大石寺に登山参詣し、大石寺大坊対面所で、日蓮正宗管長(大石寺法主)に対面(目通り)をする。これを法華講では「お目通り登山」とか、あるいは法華講支部結成許可のお礼という意味で「お礼登山」と呼んでいた。

1990(平成2)1227日の池田大作・総講頭罷免により、日蓮正宗と創価学会の「宗創戦争」が勃発。1991(平成3)年から2000(平成12)年ころにかけて、毎年2万人超の信徒が創価学会を脱会して、日蓮正宗寺院所属の信徒になった。従来から法華講支部が結成されていた寺院では、創価学会から脱会した日蓮正宗信徒は、法華講に加入して法華講員になったが、その当時は法華講支部が未結成、ないしは最初から法華講支部が存在していなかった寺院が数多く存在していて、そういった寺院にも、創価学会から脱会した信徒が入ってきた。そして1991(平成3)年から1993(平成5)年にかけて、法華講支部未結成の寺院で、創価学会から脱会した日蓮正宗信徒を結集させた「法華講支部」結成ラッシュが起きた。新しく結成した「法華講支部」は、大石寺67世阿部日顕法主に「お目通り」する「お目通り登山」を行ったが、指導教師(末寺住職)、講頭、副講頭、幹事、会計等の役員のみならず、法華講員全員を引き連れて「お目通り登山」を行った。この1991(平成3)年にはじまる「お目通り登山」ラッシュがきっかけになり、新たに結成した法華講支部のみならず、従前から結成していた法華講支部も、全法華講員を引き連れて法主に目通り(対面)する「お目通り登山」を行った。これが現在の1年に1回以上行われている法華講支部単位で行う法華講支部総登山会となっているものである。

法華講支部の講頭、副講頭、幹事、会計は、大石寺法主(日蓮正宗管長)が認証し、日蓮正宗管長名で認証状が発せられる法主認証役員であるが、誰を講頭、副講頭、幹事、会計にするのか、という人選、指名、任命は、法華講支部指導教師である末寺住職が行う。末寺住職が指名、任命した講頭、副講頭、幹事、会計を、日蓮正宗管長(大石寺法主)が認証し、認証状を発する。

認証(にんしょう)とは、何かによって、対象の正当性を確認する行為を指す。法律上用いられる意味においては、ある行為または文書が正当な手続・方式でなされたことを公の機関が証明することをいう。日本国憲法では、天皇が国務大臣その他の官吏の任免、全権委任状および大使および公使の信任状、恩赦、批准書等を認証する。かかる認証を受ける官職は認証官と呼ばれる(天皇の国事行為の一つ、日本国憲法第7条第5号)。

 

法華講支部結成許可書2
 

(日蓮正宗管長が発する法華講支部結成許可書)


法主認証状2
 

(日蓮正宗管長が発する法華講支部幹事・認証状)

 

 

 

法華講連合会・地方部役員人事に露骨に介入している日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院

 

日本国憲法における天皇の認証とは、内閣(内閣総理大臣)が決定した国務大臣その他の官吏の任免、全権委任状・大使・公使の信任状、恩赦、批准書を自動的に認証するが、法華講支部の場合は、末寺住職が指名、任命した講頭、副講頭、幹事、会計を、日蓮正宗管長(大石寺法主)が自動的に認証するのではない。末寺住職から講頭、副講頭、幹事、会計に指名された信徒は、身上書、履歴書、職務経歴書等の書類を所属寺院を通じて日蓮正宗宗務院に提出する。したがって、末寺住職が講頭、副講頭、幹事、会計に指名した信徒を、日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院がNOと言う場合も有り得る。したがって法華講支部の講頭、副講頭、幹事、会計人事に、日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院が間接的に介入している。又、大石寺に「お目通り登山」をして法主に対面(お目通り)したとき、法主と講頭、副講頭、幹事、会計に指名した信徒は言葉を交わす。講頭、副講頭、幹事、会計の任期は2年であるが、任期途中で辞任した場合、末寺住職と任期途中で退任した信徒が、大石寺に呼びつけられ、「なぜ任期途中で辞任するのか」と、法主から直接問責されるケースがある。特に、講頭が任期途中で辞任すると、大石寺呼び出し・法主から問責されるケースが多々ある。したがって、これを嫌って本当は任期途中で辞任しているのに、日蓮正宗宗務院には報告せず、隠蔽したまま、任期満了で退任したことにしてしまう末寺住職が何人もいる。

これが日蓮正宗法華講連合会委員長、副委員長、理事、幹事、監事、法華講連合会地方部の地方部長、副地方部長、理事、幹事、監事の人事になると、日蓮正宗管長(大石寺法主)、日蓮正宗宗務院は、もっと露骨な人事介入を行っている。

日蓮正宗法華講連合会、委員長、副委員長は、大石寺67世阿部日顕法主の登座以降、折伏成果が全国でダントツの実績を挙げている法道院支部、本行寺支部の信徒と決まっている。唯一の例外は、柳沢喜惣次委員長、石毛寅松副委員長がダブル退任した直後の永井藤蔵委員長1人だけである。法華講連合会理事は、地方部長が兼任するのだが、法華講連合会幹事(総務部長、庶務部長、登山部長、企画部長、編集部長、会計部長、壮年部長、婦人部長、青年部長、少年部長)、監事も、基本的に法道院支部、本行寺支部の信徒であり、例外的に他支部の信徒が任命されるときがあるが、折伏実績を挙げている法華講支部から任命される。(例えば、久遠寺支部の井手国弘青年部長→総務部長など)

1980(昭和55)年、法華講連合会役員の任期満了の改選時、大石寺67世阿部日顕法主・日蓮正宗宗務院は、法華講連合会幹事に本行寺支部講頭・柳沢喜惣次氏を入れるよう要請。これを佐藤悦三郎委員長をはじめとする法華講連合会役員が拒否。日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院と法華講連合会が柳沢喜惣次氏の人事を巡って激しく対立したが、最終的に佐藤悦三郎委員長をはじめとする法華講連合会役員が全員総辞職。大石寺67世阿部日顕法主は、新しい委員長に法道院支部信徒・阿部唯七郎氏を任命。法華講連合会幹事は本行寺支部講頭・柳沢喜惣次氏をはじめ、法道院支部、本行寺支部の信徒で固められた。

こういった人事は、法華講連合会地方部長、副地方部長、幹事(総務部長、庶務部長、登山部長、企画部長、会計部長、壮年部長、婦人部長、青年部長、少年部長)、監事も同じ。折伏成果が上がっている法華講支部から任命されるのが、日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院の基本政策である。したがって表向きは、法華講連合会委員長、副委員長が日蓮正宗管長(大石寺法主)の任命、法華講連合会理事、幹事、監事、地方部長、副地方部長、地方部理事、幹事、監事は、日蓮正宗管長(大石寺法主)の承認人事ということになっているが、日蓮正宗管長(大石寺法主)は、ただ事務的に任命、承認しているのではなく、露骨に法華講連合会、地方部の人事に介入し、日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院の意向を色濃く人事に反映させている。したがって日蓮正宗法華講連合会という信徒団体は、布教方針、信徒指導、政策のみならず役員人事の隅から隅に至るまで日蓮正宗管長(大石寺法主)・宗務院の意向が色濃く反映されている団体なのである。

 

5大日蓮)
 

(日蓮正宗宗務院機関誌「大日蓮」に発表される法華講連合会、地方部、法華講支部役員の任命・承認・認証)

 

日蓮正宗・寺院・法華講・構図
 

(日蓮正宗・法華講連合会・法華講支部・組織図)