□東大寺大仏殿、東本願寺・西本願寺御影堂への対抗意識のもとに建築された大石寺客殿

 

1998(平成10)325日に落慶した大石寺客殿の外観が、浄土宗総本山・京都知恩院の御影堂(みえいどう)の外観にそっくりである。

知恩院御影堂(みえいどう)は、大殿(だいでん)とも呼ばれ、江戸時代初期から浄土宗開祖・法然の御影(木像)を祀っている堂である。大きさは、奥行35メートル、間口45メートル。周囲に幅3メートルの大外縁をめぐらすという知恩院最大の堂宇で、平面積では日本で5番目に大きい寺院建築である。寛永10(1633)の火災により焼失しましたが、寛永16年(1639)に徳川家光によって再建され、平成14年には国宝に指定されている。

知恩院では平成23(2011)に開祖・法然800年大遠忌を迎えるのにあたり、この国宝・御影堂の半解体をともなう大修理を発願。平成31(2019)竣工をめざして、「平成の大修理」中である。

ここに載せている知恩院御影堂の写真は、「平成の大修理」以前のもの、知恩院刊行の小冊子「知恩院」に載っている写真である。

大石寺客殿のデータは、間口・奥行とも約50m(2500m2)、高さは36m。内部の基本構造は鉄骨造りで、外装や堂内の仕上げは木材を使用。2階に1,112畳の大広間がある。よって間口、奥行きとも、大石寺客殿のほうが大きい。堂宇そのものの造りは、大石寺客殿と知恩院御影堂は、そっくりである。

東大寺大仏殿と比較して見ると、現在の東大寺大仏殿は高さ46.8m、間口57m(2667m2)、奥行50.5メートル。真宗本廟・東本願寺は御影堂(ごえいどう)が、北76m、東西58m(4408m2)、高さ38m、堂内927畳の御影堂(ごえいどう)。そして阿弥陀堂が南北52m、東西47m、高さ29m。西本願寺御影堂は、東西48m、南北62m(2976m2)、高さ29m

こうしたデータを比較して見ると、大石寺客殿は、外観が知恩院御影堂とそっくりであることもさめことながら、明らかに東大寺大仏殿、東本願寺御影堂、西本願寺御影堂といった堂宇を明らかに意識し、対抗意識のものに建築された堂宇であることがわかる。

 

知恩院御影堂1
 

 

(知恩院刊行の小冊子「知恩院」に載っている知恩院御影堂)

 

客殿8(大石寺案内)
 

(大石寺刊行の小冊子「大石寺案内」に載っている大石寺客殿の写真)

 

御影堂1
 

(「アンチ日蓮正宗」管理人が撮影した写真・「平成の大修理」中の知恩院御影堂)