■検証45・日蓮正宗大石寺格蔵の「日興跡条条事・日興真筆」の真っ赤な大ウソ8
□日蓮正宗僧侶・高橋粛道氏の論説は「日興跡条条事」真書を言いたいが為の悪質なこじつけ
1281(弘安4)年12月に日目が日興の代理で上洛したとする園城寺申状なる文書は、全くの後世の偽作であり、ニセ文書である。1281(弘安4)年12月に日目は京都に上洛などしていないのである。したがって、「弘安五年の御下文、日目に之を授与する」との文面がある「日興跡条条事」は偽作文書である。
しかし「日興跡条条事」を何としても日興真筆の文書にしたい日蓮正宗は、ありとあらゆるものを、こじつけて、無理矢理にでも、真書に仕立て上げようとするのである。下記の高橋粛道氏の妄説は、その一例である。
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(日蓮正宗僧侶・高橋粛道氏の妄説)
歴史を知らない者が何人悪口を言ったとしても事実は変わらない。『御下文』を守護すべく、日善、日仙、日目上人の連署の『誡めの状』の三通のうち、正本二通が大石寺に厳存している。
(高橋粛道氏の論文・「美濃周人氏の『日興跡条条事』の考察に対して」)
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日善、日仙、日目の連署の『誡めの状』というのは、「日蓮聖人の御影並びに御下文園城寺申状」と題する文書で次のような文面になっている。
「日興上人御遺跡の事
日蓮聖人の御影並びに御下文園城寺申状
上野六人老僧の方巡に守護し奉るべし。但し本門寺建立の時は本堂に納め奉るべし。此の条・日興上人の仰せに依って支配し奉る事・此の如し。此の旨に背き異議を成し失たらん輩は永く大謗法たるべきなり。誡めの状件の如し。
正慶二年癸酉二月十三日 日善在判、日仙在判、日目在判」
(『富士宗学要集』8巻p18)
日蓮正宗は、これを「日興跡条条事」が真筆である証明であるかのように言うが、この日善、日仙、日目の連署の『誡めの状』なるものも後世の偽作である。
□日善、日仙、日目の連署の『日興上人御遺跡の事(誡めの状)』なるものは後世の偽作である
なぜ『日興上人御遺跡の事(誡めの状)』が偽書なのか。それは以下の証拠により明白である。
まず第一に、「上野六人老僧の方巡に守護し奉るべし」と書いてあるが、日興の本六僧は、日興が死去した1333(正慶2)年の段階で、日目、日仙の二人しか生き残っていなかった。したがって日興が死去の直前に、二人しか生き残っていない本六僧に「上野六人老僧の方巡に守護し奉るべし」などと誡めるはずがない。仮に、「上野六人老僧」が本六僧、新六僧の双方を指していたとしても、新六僧も第二位の日澄が死去しており、5人しか生き残っていなかった。したがって本六僧が二人・新六僧が五人となれば合計で7人となり、「上野六人老僧」とは数が合わなくなる。
第二に、「戒壇の大本尊」なる板本尊は、大石寺9世日有の偽作であり、当然のことながら日興在世の代に存在していないのに、「本堂に納め奉るべし」などと誡めるはずがない。
□大石寺の『戒壇大本尊』は日蓮造立ではない偽作本尊だ
http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_161867.html
□『戒壇大本尊』は日蓮造立ではない後世の偽作である
http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_628695.html
□大石寺「戒壇の大本尊」・大石寺9世日有による偽作の真実
http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_651175.html
□大石寺の『戒壇大本尊』は大石寺9世日有の偽作である
http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_161878.html
□「戒壇大本尊」は大石寺9世日有の偽作である16の証拠一覧表
http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_818208.html
第三に、日興は日蓮真筆本尊の脇書に「本門寺に掛け奉るべし」と度々、加筆しているが、「本門寺建立の時は本堂に納め奉るべし」と書いたものはない。
第四に、大石寺にもその他の末寺にも、日興在世の代には「本堂」というものがなかった。日蓮、日興、日目の代に、「本堂」の語句が使われた文献は全く存在しない。唯一、「本堂」の語句がある「百六箇抄」なる文書は、大石寺9世日有の偽作である。
□大石寺の『百六箇抄』は大石寺9世日有の偽作だ
http://anti-nichirenshoshu.doorblog.jp/archives/cat_193008.html
よってこの日善、日仙、日目の連署の『日興上人御遺跡の事(誡めの状)』なるものも後世の偽作であるということになり、この文書が「日興跡条条事」の日興真筆を証明する文書にはならないのである。
日蓮正宗僧侶・高橋粛道氏は、何でもかんでも「日興跡条条事」が日興真書であると言いたいが為に、こじつけようとしているが、こういう悪辣な策謀は、直ちにやめるべきである。
(昭和55年4月9日付け聖教新聞に載っている『日興跡条条事』)
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