■検証2・本因妙抄は日蓮・日興とは全く無関係の偽書である2

 

□日蓮在世時代も日興・日目の時代も「法華本門宗」なる宗号は全く使われていない

 

本因妙抄の冒頭に「法華本門宗血脈相承の事」とあるが、日蓮在世の時代も、六老僧の時代も、本六僧・新六僧の時代も、「法華本門宗」なる宗号は、全く存在していなかった。日蓮は、ただの一度たりとも「法華本門宗」という宗号を使ったことはない。又、日興も日目も「法華本門宗」の宗号を一度も使ったことがない。

大石寺59世堀日亨は、「富士宗学要集」第8巻の冒頭、「第一 立宗起源」の中で、宗号について書いているが、「法華本門宗」なる宗号が使われたとは全く書いていない。

 

1立宗起源
 

(大石寺59世堀日亨編纂「富士宗学要集」第8p1)

堀日亨は、この中で、江戸時代より以前の上古の時代においては、「法華宗」や「日蓮法華宗」との宗号は公称したが、「法華本門宗」という宗号が使われたとは、全く書いていない。堀日亨は、自ら「本因妙抄」を「富士宗学要集」第1巻の冒頭に収録しておきながら、本因妙抄の冒頭に出てくる宗号「法華本門宗」を全く無視している。これなども、堀日亨が本因妙抄を偽書と見なしていた証拠である。

いずれにせよ、本因妙抄の冒頭に出てくる宗号「法華本門宗」が、日蓮在世はおろか、日興も日目も使った形跡がない。日蓮が本当に在世中に「法華本門宗」なる宗号を使い、日興に「血脈相承」をしたというなら、日興も日目も、「法華本門宗」なる宗号を使ったはずである。

したがって、本因妙抄の冒頭に「法華本門宗」なる宗号が使われていることは、本因妙抄が偽書である第一の証拠である。

 

1本因妙抄
 

(本因妙抄)