■日蓮正宗・創価学会は「宗創戦争」再開を避けるため裏で宗創和解“密約”を結んでいる7

 

2002131日の宗創和解以降、創価学会批判、池田大作批判をピタリと止めてしまった大石寺67世阿部日顕法主

 

その「密約」の第二は、「日蓮正宗、創価学会はお互いに主敵にしない・敵対視しない」という密約である。これも2002131日の「和解」以降の日蓮正宗、創価学会両者の動きを見れば、これは一目瞭然である。1990年代~2000年代にかけて、日蓮正宗と創価学会は、お互いの機関紙上において、壮絶な非難合戦を繰り広げていた。大石寺67世阿部日顕法主は、宗門二大法要である御虫払い大法会、御大会の説法、1994(平成6)7月の地涌六万総会、1998(平成10)4月の新客殿新築落慶法要の説法、さらには毎年3月の法華講連合会総会、5月の寺族同心会大会、8月の全国教師講習会といった法主説法といった公式行事において、事ある毎に、池田大作、創価学会を非難罵倒する説法をしていた。

ところが2002131日の「宗創和解」以降、2002328日の「立宗七百五十年開宣大法要」、2002427日の「立宗七百五十年慶祝記念特別大法要」、2002108-12日の「奉安堂落慶法要」の他、御虫払い大法会、御大会の説法等において、池田大作批判、創価学会批判の説法をピタリと止めてしまっている。それどころか、かつて大石寺67世日顕は、創価学会と大謗法、大慢心といった攻撃用語をくっつけて説法していたが、2002(平成14)1022日の奉安堂落慶記念大法要終会の説法では

「正本堂は既にその存在自体が破門団体による不当な宗門攻撃の口実ともなっておりました。したがって、将来においても、かかる謗法団体の慢心と悪意が、建物の存続により、常に宗門内に滞り、これによって宗門を攪乱せんとする悪心・邪計がさらに生ずるであろうことは必至であります。すなわち、(正本堂の)解体の処置は、邪義を破すとともに、仏法の正義を守るためであり、これが平成十年(1998)に断固として正本堂を解体した理由であります」

 

50-51破門団体・不当な宗門攻撃
 

(日蓮正宗宗務院機関誌「大日蓮」平成1411月号)

と、明らかに創価学会のことを言っている箇所で、意図的に「創価学会」という単語を避けるように喋っているのがわかる。例外的に大石寺67世日顕は、2004(平成16)826日の大石寺大講堂・全国教師講習会の法主講義の席で、宗創和合時代の日蓮正宗・創価学会の関係について説法し、創価学会批判を行っているが、しかしこの説法は、創価学会批判が主眼ではなく、大石寺独自の教義である「正本堂」「本門事の戒壇」「大石寺の富士山本門寺改称」の説法を主眼としているものである。つまりかつて宗創戦争(2次宗創紛争)の時は、創価学会や池田大作に対して、それこそあらん限りの非難・罵倒を浴びせていた大石寺67世日顕が、2002131日の宗創和解以降、創価学会批判、池田大作批判をピタリと止めてしまっているのである。

 

2004.8.26-1


2004.8.26-11正本堂・百六・日淳


2004.8.26-12大講堂・大客殿・正本堂


2004.8.26-13戸田城聖遺言正本堂


2004.8.26-15実質的戒壇・広布達成
 

(2004(平成16)826日の大石寺大講堂・全国教師講習会の法主講義「大日蓮」平成1611月号)

 

 

 

 

 

2002年の宗創和解以降、教義問題の血脈相承がないニセ法主日顕退座要求の出来レース・八百長レースに転換した創価学会

 

方や創価学会のほうはどうかというと、宗創戦争(2次宗創紛争)の時は、大石寺67世日顕と、ありとあらゆるスキャンダルを暴き立てて報道し、日蓮正宗相手に正本堂供養金訴訟や遺骨訴訟など、訴訟を提起していた。ところが、2002131日の宗創和解以降、阿部日顕法主のスキャンダル報道や訴訟提起をほとんど止めてしまっており、大石寺66世日達から大石寺67世日顕への血脈相承問題、日顕法主退座要求に絞っている。

2002131日の宗創和解成立時の創価学会・秋谷栄之助会長のコメントは

「シアトル事件の裁判上の決着ということであり、こんな汚らわしい話しは本来、だれも聞きたくもない話しです。われわれはもっと大きな次元で広宣流布のための対話を拡大していきましょう。仏法破壊の日顕の行状は、現在もとどまることなく続いており、一狂を禁ずる正義の戦いは、一歩もゆるめるわけにはいきません。日顕追放へ、さらに勇躍前進してまいりましょう」

 

2002.1.31宗創和解(聖教新聞)1
 

(200221日付け聖教新聞)

と言っている。さらにこれにつづく200221日の第14回本部幹部会で、秋谷栄之助会長は

「戒壇の大本尊を偽物と断定した大謗法の日顕を断固責め抜く」「仏法破壊の日顕の行状は、現在もとどまることなく続いており……大謗法の根源は、大石寺に安置してある大御本尊を偽物と断じていることであります。これ以上の大謗法はありません」「(河辺メモの昭和5327)2ヶ月後の415日に相承を受けたなどと言っておりますが、これも全く真っ赤なウソに決まっております。これだけでも、日顕がニセ法主であることは明らかであります」

(200223日付け聖教新聞)

 

2002.2.3聖教新聞・日顕批判続行
 

と言っている。一見すると、宗創全面戦争続行のように見えなくもないが、よく読んでいただきたい。秋谷栄之助会長は、創価学会自らが暴き立てたシアトル事件を「こんな汚らわしい話しは本来、だれも聞きたくもない話し」と言って斬り捨て、日顕法主追放(退座)運動を続行すると言う。そして日顕法主が「戒壇の大本尊」を偽物と断定したことが判明したから、「日達法主からの相承はあるわけがない。だからニセ法主だ」という論理で、ニセ法主追放運動をやっていくという。

大石寺66世日達から大石寺67世日顕の血脈相承の問題は、1989年の蓮華寺事件最高裁判決、1993年の日蓮正宗管長事件最高裁判決で明らかなとおり、裁判所が介入しない(と言うか、できない)教義の問題である。したがって、日達・日顕の血脈相承問題を根拠にしたニセ法主日顕退座要求(創価学会が言う追放運動)は、2002131日の宗創和解の「範疇外」ということになる。

さらに日蓮正宗を離脱して創価学会に付いた創価学会腰巾着僧侶たちが、大石寺66世日達から大石寺67世日顕の血脈相承を否定するキャンペーンを展開。阿部日顕法主の血脈を否定する「法主の大陰謀」「法主詐称」「偽法主阿部日顕」をいった本を次々と出版。これに日蓮正宗が態度を硬化させ、日蓮正宗機関誌「大日蓮」に、創価新報、創価学会腰巾着僧侶集団等に宛てた通告文を掲載。シアトル事件、芸者写真偽造事件につづく、日蓮正宗・創価学会直接対決の裁判に発展か(?)と思われたことがあった。ところがこの一件も、日蓮正宗は「通告」だの「謝罪要求」だのと「大日蓮」等でさんざん騒ぎ立てていたが、結局、何の裁判を起こさずに終わっている。

 

2002.6.10通告書1


2002.6.10通告書2


2003.7.22御相承声明文


2003.7.22創価学会通告書1


2003.7.22創価学会通告書2


2003.8.12創価学会再通告書1


2003.8.22創価学会再通告書1


2003.9.10創価学会再々通告書1
 

(日蓮正宗が創価学会・創価学会僧侶団に発した通告書「大日蓮」より)

これも、教義問題で裁判を起こしても、所詮は却下されるのがオチであり、そういうことを承知で、創価学会が日達・日顕の血脈相承問題のキャンペーンを行ったことが明らかである。

さらに言うと、創価学会のニセ法主日顕退座要求(創価学会が言う追放運動)そのものが、出来レース・八百長キャンペーンである。

なぜなら、この2002年当時においてすでに大石寺67世日顕は80才の高齢であり、死去寸前まで法主在職する確率よりも、生前に法主退任・隠居する確率がかなり高かった。

大石寺62世日恭、65世日淳、66世日達が、死去直前まで法主在職だったから、大石寺法主は死去寸前まで法主在職するものだと勘違いしている法華講員、創価学会員がかなりいるが、歴史を見ると、そうではない。二祖日興から67世日顕まで66人の法主の中で、死去寸前まで法主だったのは、三祖日目、5世日行、6世日時、8世日影、9世日有、12世日鎮、15世日昌、16世日就、26世日寛、34世日真、38世日泰、41世日文、42世日厳、45世日礼、47世日珠、49世日荘、50世日誠、57世日正の18人と、先に挙げた3人の合計21人。残りの45人の法主は生前に退任して隠居している。したがって歴史的に見ても、死去寸前まで法主在職する確率よりも、生前に法主退任・隠居する確率がかなり高いということになる。さらに阿部日顕法主自身も、1990年代のころは「私は絶対に退座いたしません」などと大ミエを切っていたが、年齢を重ねる毎に健康問題が囁かれるようになり、2002年ころには、阿部日顕法主退座の確率がかなり高まっていた。さらに笑えるのは、阿部日顕法主が正式に退座を表明した2005121日、早瀬日如新法主に相承した1212日以降の1214日の聖教新聞紙上に、創価学会・佐藤男子部長が「日顕よ、今すぐ退座せよ」などと題する記事を載せていることである。

2005.12.14日顕退座要求(佐藤男子部長)
 

(20051214日付け聖教新聞)

これなどは、創価学会が、いかに何も知らない創価学会員を騙すことに腐心しているのか、ということを象徴する記事である。そして、実際、20051216日、阿部日顕法主は退任して、早瀬日如に法主の座に登座しているが、例によって創価学会は「日顕が退座した」とて、勝利宣言をしている。

 

2005.12.19-1日顕退座勝利宣言


2005.12.19-2日顕退座勝利宣言
 

(20051219日付け聖教新聞)

したがって、創価学会の「ニセ法主日顕退座要求(創価学会が言う追放運動)」は、阿部日顕法主の退座の確率がかなり高いということを見越した上での、「阿部日顕法主が退座したら、得意技の勝利宣言を出して、何も知らない創価学会員をだますことが出来る」という完全な出来レース・八百長キャンペーンというべきものである。かくして200512月の阿部日顕法主退座以降、創価学会の日蓮正宗批判キャンペーンが急激に萎み、トーンダウンしていくのである。

 

2005.12.26-1日顕退座勝利宣言
 

(20051226日付け聖教新聞)