「御義口伝」は平成新編御書全集、創価学会版御書全集に載っている。しかし日付が弘安元年正月一日になっているのが、127811日は建治4年であり弘安元年ではない。六老僧が定まったのは1282108日のことで、127811日の時点で、六老僧は決まっていない。日蓮滅後の1294年に元で成立した徐氏の科註が引用されているが、これは偽書である証拠。日蓮滅後の「御遺物配分」の中に、御義口伝がない。御義口伝の中に、日蓮が説かなかった無疑曰信、日蓮本仏義、無作三身、日蓮霊山塔中相承、事の三大秘法が出てくる。日蓮は御本尊「図して」「出現」「一幅書きまいらせ」とは言ったが、御本尊建立とは言わなかった。本尊・大曼荼羅・三大秘法を「建立」と書いている文書、御講聞書、三大秘法抄、百六箇抄は全て偽書である。御義口伝が最初に引用される文献は1492年の円明院日澄の法華啓運抄、御義口伝の最古の写本は、1539年の法華宗本門流の写本である。日蓮在世の時代から15世紀末まで「御義口伝」なる文書は、地球上に存在していなかった。