「観心本尊抄」の「其の本尊の為体……此の仏像出現せしむべきか」の文、「報恩抄」の「本門の教主釈尊を本尊とすべし」の文からすれば、寺院の中心本尊は釈迦仏・多宝仏の立体本尊であり、日蓮は僧侶・信者の信行の本尊として曼荼羅本尊を授与していた。日蓮の指南を聞いていた四条金吾・日眼女・富木常忍は釈迦仏像を造立し、日蓮はそれを称賛している。日蓮は四条金吾・日眼女夫婦には、弘安三年になって別途、曼荼羅本尊を授与している。この日蓮の仏像本尊造立の指南を否定するため、大石寺26世日寛は「末法相応抄」(六巻抄のひとつ)で、とんでもない「こじつけ教学」を展開している。日寛は日蓮本仏義を持ち出して「此の仏像」「本門の教主釈尊」を日蓮のことだと強弁するが、日蓮本仏義は大石寺9世日有が偽作した教義であり、日蓮本仏義を説いている百六箇抄、本因妙抄も偽書であるので、日寛の「こじつけ教学」はこれで完全に崩壊する。大石寺法主の曼荼羅本尊は、大石寺9世日有が偽作した「戒壇の大本尊」を書写した曼荼羅本尊で、偽書「本尊七箇相承」に説かれる日蓮即大曼荼羅の偽教義の本尊なので、日蓮の教義に反する曼荼羅本尊である。