□息子の創価学会入信で深刻な親子分裂に陥った創価学会反対の両親と創価学会員の息子

 

そもそも他人に対して、「あなたは地獄に堕ちる」だの「仏罰で不幸になる」などと言っている人の心の中が、すでに地獄そのものなのではないのか。室町時代に偽作された板本尊を日蓮真筆だと偽り、カルト信仰にのめり込み、やれ供養だの、やれ折伏成果だの、やれ登山だのと、とことんまでカネを搾り取られる日蓮正宗・創価学会の世界が、まさに地獄そのものではないのか。日蓮正宗・創価学会の世界こそが地獄に見える。

一方で、こんな日蓮正宗・創価学会の非常識なすっかり怯えきっていた男もいた。

矢田敏夫(仮名)が「教職課程に詳しい人」と英昭彦に紹介した、私塾経営者・上山夫婦が経営する塾で「先生」のバイトをしていた、同じT大学の学生・河岸春樹(仮名)がいた。この河岸春樹(仮名)は最初は創価学会員であることを隠していたが、何と矢田敏夫(仮名)が折伏して創価学会に入信した高島義男(仮名)の折伏で創価学会に入信した男で、矢田敏夫(仮名)から見ると「折伏孫」になる。上山夫婦も矢田敏夫(仮名)も、河岸春樹(仮名)のことを「とても純粋な信心をしている」などと言って、あたかも創価学会員の鏡であるかのように、賞賛していた。しかし英昭彦にとっては、河岸春樹(仮名)が、創価学会員の中では、お手本なのかどうか、何の関係もない話だ。

この河岸春樹(仮名)という男、上山夫婦や矢田敏夫(仮名)に言わせると、純粋な信心で創価学会員の鏡ということだったが、表情は暗く、しゃべり方も沈んだような声。何か深刻な悩みでも抱えているかのように見えた。しかも普段は、やや前屈みになって、右手で前髪をいじりながら歩くという、一見して風変わりな男。さらにそれに加えて、河岸春樹(仮名)は、両親に内緒で創価学会に入信したらしく、自室に日蓮正宗大石寺法主の本尊を祀ったところ、心配した母親が、本尊を破り捨ててしまったということだった。 そこでしばらく、本尊を祀らずに創価学会活動をしていたらしいが、再び、自室に本尊を祀ったという。

河岸春樹(仮名)の父親は、大手町の大企業のサラリーマンで、かなりの地位を得た人らしく、東京都東村山市に独力で一軒家を建てた人。すなわち、河岸春樹(仮名)の自宅である。

河岸春樹(仮名)の母親は、何度か英昭彦もお会いしたことがあったが、とても物静かな人で、話してもなかなか知的な感じの女性。この人が、曼荼羅本尊を破り捨てるということをするようには見えなかったが、私と話したときに、創価学会に対する相当な不信感と嫌悪感を語っていたので、私も「やはりこれが原因で曼荼羅本尊を破り捨てたのかな」という印象はもった。

さらに加えて、河岸春樹(仮名)は、一人っ子らしく、たった一人の息子の行く末を心配した河岸春樹(仮名)の親御さんの心情には、なんとなく同情するものがあった。 はっきり言えることは、河岸春樹(仮名)の日蓮正宗・創価学会入信によって、河岸親子は深刻な親子分裂に陥ってしまったということである。この親子分裂の原因は、河岸春樹(仮名)の日蓮正宗・創価学会入信であり、河岸は、矢田敏夫が創価学会に入信させた高島義男(仮名)という男が、創価学会に入信させたわけだから、根源の折伏親である矢田敏夫が、創価学会壮年部幹部といっしょに河岸春樹(仮名)宅を訪問して、河岸の両親と膝を交えて話したこともあったという。しかし、これでも親子分裂の事態は好転しなかったようである。

 

河西宅3
 

(河岸春樹(仮名)の自宅)

 

 

 

□余りに酷い、非常識な仏罰論で信者を脅迫して創価学会脱会を思い止まらせていた創価学会

 

しかし私からすると、河岸本人にたいして「そこまでして創価学会をやりたいの?」という疑問が沸くわけである。同じ家に住む親子が分裂・断絶状態になるという異常事態になってまで、河岸春樹(仮名)は、なぜ日蓮正宗・創価学会の信仰をしたがるのか。本当に河岸春樹(仮名)が本心から望んで創価学会に入ったのだろうかと?

河岸春樹(仮名)は、もともとは創価学会員ではなく、創価学会員に折伏されて創価学会に入った人物であるため、子どもの頃から創価学会員として育てられた矢田敏夫(仮名)とは、根本的に違っていた。矢田敏夫(仮名)と話していると、著しい嫌悪感を感じた。喋り方が「上から目線」で喋るし、人を頭から指図するかのような言い方をしていた。これは、矢田敏夫(仮名)が子どもの頃から、「創価学会に入っていない謗法の人は哀れな衆生。創価学会に入らなければ地獄に堕ちるしかない人。こういう人を創価学会が救ってやっているのだ」などという独善的な教育を受けてきたからに他ならない。しかし河岸春樹(仮名)は、そういう独善的体質がなく、割と打ち解けて喋れる人物だった。そこで英昭彦は、河岸春樹(仮名)と二人になったときに、「本当にそこまでして、創価学会をやりたいのか」と河岸春樹(仮名)に質問をしてみた。すると、河岸春樹(仮名)の答えは驚いたことに、「御本尊を棄てると大謗法になる」「罰が当たる」「無間地獄に堕ちる」と言う。つまり河岸春樹(仮名)は、創価学会をやめると無間地獄に堕ちるという創価学会の罰論に脅迫され、怯えて、日蓮正宗・創価学会の信仰をしていたということであった。

「そんなバカな」

そんなことのために、創価学会の信仰をしているのか。この河岸春樹(仮名)という男、頭の中は正気なのかと、本気で疑ってしまうくらいであった。こんなバカげた創価学会の仏罰論のために、なぜ親子分裂という事態になってまで、日蓮正宗・創価学会の信仰をしなければならないのか。宗教とは何なのか、信仰とは何なのか、ということを全く考えていない、ただ仏罰論に脅かされているだけという、河岸春樹(仮名)の姿が、常識から見て、到底有り得ない姿に見えた。

創価学会員たちは、折伏の際の二言目には「この信心をすれば幸せになる」と言っていたが、こういう河岸春樹(仮名)の親子分裂自体が不幸の姿そのものではないのか。河岸春樹(仮名)が日蓮正宗・創価学会に入信していなければ、こんな不幸な親子分裂は起こっていないわけだから。英昭彦は、矢田敏夫(仮名)のしつこい折伏・だまし討ち折伏には、ほとほと呆れていたが、ここまで酷い罰論で信者を脅迫する創価学会の手口にも心底呆れてしまっていた。

 

河西冬樹1
 

(河岸春樹(仮名))