創価学会の機関紙・聖教新聞には、連日、池田大作名誉会長を宣揚する記事が載っているが、その中のひとつ、「世界広布への大道・小説新人間革命に学ぶ」のシリーズの20206月の記事はひどいものがある。聖教新聞の記事を読むと、19745月から19755月にかけて、池田大作名誉会長(当時・会長)が、ソ連と中国を何度も訪問して、ソ連のコスイギン首相、中国の周恩来首相、鄧小平副首相と何度も会談して、あたかも池田大作名誉会長がソ連と中国の橋渡しをして、中ソの戦争を回避したかのような言い方をしている。本当にそうだろうか。歴史の真実は何なのか。中国とソ連が戦争一歩寸前になったのは、1969年の中ソ国境の武力衝突事件があったときである。当時、アメリカ・ニクソン大統領の下で国家安全保障担当大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャー氏の回顧録(キッシンジャー秘録)によれば、1969818日、米ソ外交ルートでソ連側が「ソ連が中国の核施設を攻撃したら、アメリカはどんな反応をするのか」と質問。1969828日、ソ連共産党機関紙プラウダが、中国への核攻撃の可能性を示唆。アメリカは、ソ連に対して、ソ連が中国に核攻撃をした場合、アメリカが報復攻撃すると警告。1969911日、ソ連のコスイギン首相と中国の周恩来首相が北京で会談。中ソの戦争が回避されたのである。だから、中国とソ連の戦争が回避されたのは、アメリカ、ソ連、中国の裏交渉で回避されたわけで、創価学会・意見募集のおかげではない。