日蓮正宗の信者からの金集めは、総本山大石寺参拝や末寺寺院での行事の供養金だけではない。

日蓮正宗の信者は、全員が末寺寺院の信者団体「法華講」に入っている。法華講は総本山大石寺に本部を置くという建て前になっていて、末寺寺院の法華講を「法華講支部」と呼ぶ。

法華講本部の役員が、総講頭、大講頭、幹事、会計なのだが、法華講本部役員というのは実質的に名誉職化しており、実質的に機能しているのは、末寺の法華講支部(講頭、副講頭、幹事、会計)と法華講支部の連合体である地方部。地方部の連合体である法華講連合会である。

法華講富士会館3

 

この末寺の法華講支部が信者から一律に「講費」(こうひ)と呼ばれる金を徴収している。講費というのは、政党が党員から徴収している党費、労働組合が組合員から徴収している組合費みたいなものだ。

この法華講支部が信者から徴収する「講費」の金額は、これが各末寺寺院の法華講支部によってマチマチであるというのが現状で、年間で11万円を徴収している法華講支部もあれば、1世帯6000円という徴収をしている法華講支部もある。

日蓮正宗の実働信者数30万人が、仮に年間で6000円の講費を支払ったとして、総額で18億円。このうち、ある一定の割合で、各法華講支部の世帯数に応じて、法華講支部の上部団体・法華講連合会地方部に上納金を納める。割合としては510%くらいである。

さらに法華講連合会地方部は、上部団体の法華講連合会に上納金を納めるシステムになっている。最終的に法華講連合会に入る講費は、18億円のうち3%くらいが入ったとして5400万円ということになる。

 

さらに日蓮正宗の信者は、法華講連合会機関紙「大白法」の講読を義務づけられている。この大白法なる新聞は月二回平均の年23回発行。(12月だけ1回のみ)一部100円となっている。

これを日蓮正宗の実働信者30万人が講読したとして、年間で69000万円の機関紙収入が、法華講連合会に入っていることになる。

 

まだある。

大石寺の日蓮正宗宗務院が出している月刊誌「大日蓮」という小冊子。これが一部300円するのだが、僧侶や寺族は全員が講読しているが、信者でこれを講読しているのはどれくらいか、となると、夏に大石寺で行われる夏季講習会登山に来る10万人ぐらいと推計すると、この「大日蓮」の収入が37000万円。

 

さらに日蓮正宗が対外的な論争などのために出している謀略機関紙「慧妙」という新聞もあり、こちらは月二回発行の一部50円。

これも日蓮正宗の信者のうち、10万人ていどが講読しているとして、「慧妙」の収入が12000万あることになる。

 

さらに関東の末寺寺院が出している月刊誌「妙教」という名前の雑誌もある。これも信者全員が講読しているわけではないが、「大日蓮」や「慧妙」くらいの売上があると仮定して、年間で3億円くらい。

 

こうしてみると、日蓮正宗では、大石寺や末寺で集めている供養金200億円のほかに、講費18億円、大白法で69000万円、大日蓮で37000万円、慧妙で12000万円、妙教で3億円がすくなくともあり、合計すると233億円という巨大なものになる。

 

日蓮正宗が毎年行っている233億円という、巨大な金集め。そして「日蓮の立正安国論750年」の特別供養120億円。さらには1994(平成6)年の六万塔・広布坊建設で集めた6億円、1998(平成10)年の客殿建設で集めた41億円、2002(平成14)年の日蓮立教開宗750年・奉安堂建設で集めた168億円。これらの莫大な金額の金集めには、実に重大な問題点をはらんでいるのである。