日蓮正宗の金集めが刑法の「詐欺罪」に当たるかどうかについては、

 

1一般社会通念上,相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為をすること(欺罔行為又は詐欺行為)

2相手方が錯誤に陥ること(錯誤)

3錯誤した相手方が、その意思に基づいて財物ないし財産上の利益の処分をすること(処分行為)

4財物の占有又は財産上の利益が行為者ないし第三者に移転すること(占有移転、利益の移転)

 

この上記14の間に因果関係が認められ、また行為者に行為時においてその故意及び不法領得の意思が認められる必要がある。

 

日蓮正宗では、大石寺奉安堂に鎮座している「戒壇の大本尊」が日蓮の出世の本懐であり、日蓮入滅後の日蓮の当体そのものであり、この「戒壇の大本尊」に信伏随従しない一切の他宗派・他宗教を「邪教」「邪宗」「無間地獄行き」と非難・攻撃する。そしてこの本尊への供養に功徳があると宣伝して、金集めを行っている。(欺罔行為又は詐欺行為)

日蓮正宗で約30万人もの絶大な数の信者が、大石寺の「戒壇の大本尊」が日蓮真筆であるなどと信じ込むという錯誤状態に陥っている(錯誤)

錯誤した信者が、日蓮正宗、大石寺、日蓮正宗末寺、僧侶に対して供養金として金銭を差し出している(処分行為)

信者から差し出された供養金が、日蓮正宗の所有する金銭となっている(占有移転、利益の移転)

 

したがって、上記14の因果関係は充分に認められるというべきである。

あとは行為者(日蓮正宗の教団側)に、行為時(供養金を集めた時)において、その故意及び不法領得の意思が認められるかどうかということになる。

もう少し砕いて言うと、日蓮正宗大石寺の法主は、大石寺の「戒壇の大本尊」が、日蓮真筆ではなく、後世の偽作であると知りつつ、信者を騙して金集めを行う目的で、「戒壇の大本尊は本物だ」「戒壇の大本尊は宗祖日蓮大聖人の当体」「仏に供養すれば功徳絶大」などと宣伝して金集めを行ったか。

つまり、日蓮正宗の法主が、大石寺の「戒壇の大本尊」が後世の偽作であるということを知っていたかどうか、ということがポイントになる。

戒壇本尊1

 

しかし日蓮正宗は、法律のすき間をかいくぐっており、実際に詐欺罪で訴追・追及するということは、かなりむずかしいことであろう。

仮に、日蓮正宗を「詐欺罪」で訴追できなかったとしても、本当は大石寺9世日有が偽作した「戒壇の大本尊」を「日蓮真筆だ」と詐称して金集めをする日蓮正宗は、明確な宗教詐欺であると、断ずることは出来る。こういうことは、公益法人たる宗教法人として、断じてあってはならないことであるからである。

我々は、道義的責任、宗教的責任という問題で、日蓮正宗を「宗教詐欺だ」として追及している。

 

こう言うと、世の中にニセモノ、偽作はけこうたくさんある。それこそ、カッパのミイラ、人魚のミイラ等々の類も含めると、山のようにたくさんあると言うであろう。ではなぜ日蓮正宗の「戒壇の大本尊」偽作、偽作教義、偽作相伝書が問題なのか、というと、

 

□日蓮正宗が過去数百年間に数千億円の金集めを行ってきて、「戒壇の大本尊」が日蓮正宗というカルトの主要財源になっていること

□「戒壇の大本尊」が日蓮正宗の堕地獄論など、カルトの教義的な根源になっていること

□「戒壇の大本尊」が日本ないし全世界の数千万人及ぶ信者を隷属せしめる宗教的権威・権力の根源になっていること

 

です。だから問題なのです。

カッパのミイラ、人魚のミイラ等々は、これで年間数十億円の金集めをしているわけでもないし、堕地獄論の根源になっているわけでもない。全世界の数千万人の人たちを隷属させる宗教的権威・権力の根源には、なっていないのである。

だから日蓮正宗の欺瞞性を追及する第一歩が、この「戒壇の大本尊」偽作の徹底追及なのである。