■検証176・堀日亨は本心では「本門戒壇の大御本尊」なる板本尊偽作説を支持していた3

 

□「日本のダビンチ・コード」とも言うべきミステリー・大石寺59世法主・堀日亨の隠れた本心

 

日蓮正宗大石寺59世法主堀日亨は、本心では「本門戒壇の大御本尊」なる板本尊偽作説を支持していたが、もちろん公式に「偽作説が正しい」と正式に宣言しているわけではない。堀日亨は、膨大な自らの著書や編纂した文献の頭注などにまぜて、自らの「本心」をところどころに織りまぜるという形で表明している。

59世日亨2

 

これはまさに「日本のダビンチ・コード」とも言うべきミステリーである。

レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」には、イエス・キリストはマグダラのマリアと結婚しており、磔にされた時、彼女はキリストの子供を身ごもっていた、という暗号(コード)が含まれているとした2006年の大ヒット映画「ダビンチ・コード」は、あまりにも有名になった。

この「堀日亨の隠れた本心」は、まさに「ダビンチ・コード」の日蓮正宗版である。

 

「ダビンチ・コード」の原作で著者は「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」と述べ、映画「ダビンチ・コード」の製作者は「今世紀最大の話題作」だとしているが、当然、これはフィクションである。イエスの婚姻関係および子供に関しての確たる証拠はなく、現在も研究は続いているものの、史料が根本的に不足しているのであり、学術的かつ客観的結論を得るのはまず不可能であるのが現状である。

しかし堀日亨の場合は、史料不足どころか、膨大な史料が残っており、そのところどころに、堀日亨の隠れた本心が顕れている。これはフィクションでも何でもない、事実である。

 

「堀日亨の隠れた本心」の場合は、堀日亨独特の暗号・パズルのようになっているようで、これが実に面白い。

その堀日亨の隠れた本心を記した暗号・パズルとは、「富士宗学要集」1巻に書き残した、「百六箇抄」「本因妙抄」等々のいわゆる「相伝書」の一部の文は、日蓮以降100200年くらいの間に加筆されたとする「部分後加説」であり、「富士宗学要集」全般にわたって堀日亨が書き記した頭注。

あるいは著書「富士日興上人詳伝」で、身延離山の日興の荷物の中に「本門戒壇の大御本尊」なる板本尊があったかどうかについては「研究の余地が存ずる」と言っていること。

「延山(身延山久遠寺のこと)の常住物は何一つ持ち出していない」「とうぜんのことである」とまで言っていること。

そして「本門戒壇の大御本尊」日有偽作の文献的証拠である「新池抄聞書」を、「富士宗学要集」には収録しなかったが、著書「富士日興上人詳伝」に収録していること等である。

 

日蓮正宗法主を経験した堀日亨が、日蓮正宗の根幹である「本門戒壇の大御本尊」なる板本尊やさまざまな「相伝書」と言われる文書を否定するかのような記述を、なぜあえて残したのか。

それはまさに堀日亨が、本心では「本門戒壇の大御本尊」なる板本尊偽作説を支持していたからに他ならないからではないか。